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夫婦善哉 決定版 新潮文庫

織田作之助

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101037028
ISBN 10 : 4101037027
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2016
Japan

Content Description

惚れた弱みか腐れ縁か、ダメ亭主柳吉に尽くす女房蝶子。気ィは悪くないが、浮気者の柳吉は転々と商売を替え、揚句、蝶子が貯めた金を娼妓につぎ込んでしまう(「夫婦善哉」)。新発見された「続夫婦善哉」では舞台を別府へ移し、夫婦の絶妙の機微を描いていくが…。阿呆らしいほどの修羅場を読むうちに、いとおしさと夫婦の可笑しみが心に沁みる傑作等織田作之助の小説七篇を所収。

【著者紹介】
織田作之助 : 1913‐1947。大阪市に生れる。三高時代から文学に傾倒し、1937(昭和12)年に青山光二らと同人誌『海風』を創刊。自伝的小説「雨」を発表して注目される。’39年「俗臭」が芥川賞候補、翌年「夫婦善哉」が『文芸』推薦作となるが、次作「青春の逆説」は奔放さゆえに発禁処分となった。戦後は「それでも私は行く」をいち早く夕刊に連載、’46年には当時の世俗を活写した短編「世相」で売れっ子となった。12月ヒロポンを打ちつつ「土曜夫人」を執筆中喀血し、翌年1月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 優希

    面白かったです。大阪のノリが隅々まで詰まった短編集でした。テンポのいいドタバタ喜劇ばかりで、この世界観はお笑いによくある雰囲気だなと思いました。お笑い自体は興味ないですが、こういう小説で読むお笑い要素は好みです。『世相』には実際に織田作自信が登場し、詭弁を振るうのがいいなと。コテコテの関西弁も味がありますね。昭和初期の大阪を堪能しました。

  • じいじ

    舞台が大阪でなければ成立しない、大阪情緒に溢れた物語です。妻子ある柳吉に、芸者・蝶子がベタ惚れして駆け落ち…から幕が上があります。賭け事・女好きで怠け者…そんなダメ亭主に、ひたすら尽くす女房・蝶子がいじらしい。こんな男と何故別れない、と心で呟きながら読むうちに、この夫婦が愛おしくなってくる不思議な小説です。タイトルが秀逸。惚れた弱みの蝶子さん、まさしく「あばたもエクボ」です。善いと相手の言動を褒めたたえる〈善哉〉な夫婦の物語です。

  • 扉のこちら側

    2016年801冊め。決定版文庫化ということで手に取ってみた。まず作品のベースにある大阪での生活が生き生きと描かれているのがおもしろい。誰が見ても立派なダメ男なのに尽くしてしまう女心の謎。柳吉の何が良かったのだろうかと思ってしまうのだけれど、やはり夫婦には夫婦にしかわからないものがあるということで。続編は大阪から急に別府に飛んでしまうので戸惑った。

  • となりのトウシロウ

    織田作之助初読。最も有名な「夫婦善哉」を含む6編から成る短編集。夫婦善哉は、妻子ある身の柳吉は蝶子と駆け落ちをして、転々と商売を変えるが長続きしない。蝶子はなんでこんな金遣いの荒い男と一緒にいるのだろう。かなり古めかしい文体で読みづらいものの、見知った大阪の地名や店が出てきてなんか嬉しい。特に自由軒は織田作之助が愛した店として有名。戦前の大阪の雰囲気が盛り込まれている。他の作品では「木の都」「競馬」が面白かったです。

  • molysk

    問屋の跡取りの柳吉は妻子ある身ながら、芸妓の蝶子と惚れた仲となって、実家を勘当される。くっついたものの、柳吉は、商売に精を出しても長続きせず、金を持ち出しての放蕩三昧。そのたびにしっかり者の蝶子に折檻を受けても、性根は直らぬダメ亭主っぷり。それでも蝶子は粘り強く亭主の尻を叩いて、商いを転々としながら、大儲けと借金を繰り返しての波乱万丈。柳吉の父の今わの際にも勘当は解けずも、離れて暮らす娘にはついに仲が認められる二人。表題作のほかはひやりとさせられる短編が多かっただけに、夫婦善哉の結末には、心が温まった。

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