Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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• 遊未

  読了日：2022/05/15

  副題の清少納言…は清少納言でも肉親にこんなことがあったということでしょう。権力者は変わらない。でも、この時代は受領＝搾取で蓄財するための地位だったし、同時に使える主人がいるとは。道長が凄まじい寄進や宴ができたのは悪徳受領がいたからこそですね。あまりにも人の世は変わらないなあ、と思うしかない一冊でした。

• ぽんくまそ

  読了日：2020/08/01

  やんごとなきバイオレンスとスキャンダルが満載な前著「殴り合う貴族たち」が面白かったので手に取った。王朝文学華やかなりし頃の日記などの一次資料から見える収奪・不正・殺人・癒着・復讐・詐欺・やらせの数々が、まあ、えげつない。清少納言の兄が殺されているのでこれが題名に。しかしこの兄も殺人者だった。まともなのは因幡守橘行平という清廉な人物や、日記に記録した藤原実資くらいでで、あとは天皇から受領までみんなおかしい。これが権力だ。

• petitbookworm

  読了日：2011/09/27

  貴族サマだって私たちと同じ人間ですもの。横領だって、不正経理だって、賄賂だって、殺人だって、そりゃやりますよ。上層部は下々のことなんて興味がなくて地方では受領たちがやりたい放題。現代と全然変わらないじゃない！清少納言の兄が殺されていたという事実にはビックリ。しかも地方での悪行の報い…。殺人事件は「枕草子」の執筆時期よりあとのことらしいけど、「春は曙〜」とかって言ってる裏では大変なことに。

• siomin

  読了日：2022/05/25

  平安時代の貴族は決して高貴で雅なものではないということを，様々な史料から解き明かした一冊。『源氏物語』のような文学的視点からなら貴族は高貴なものだろうけど，日本史の視点だったら貴族の血生臭い権力争いや，カネに執着する受領が出てくるので，貴族はそういうものだという指摘は違和感がない。「尾張国郡司百姓等解」でお馴染みの藤原元命はやったことは悪辣だし罷免されているが，これは藤原道長が排斥したかったからであり，道長に近しかったらのうのうとしていたはずだとか。恐ろしい。

• NyanNyanShinji

  読了日：2021/05/02

  『御堂関白記』『小右記』『権記』と言った一級資料を通して、王朝貴族たちの暗黒面を描く『殴り合ういつ貴族たち』に続く第二弾。本作は受領たちの貪欲さがエグく綴られています。後書きに、『源氏物語』や『枕草子』で培った「王朝貴族社会のイメージを守り続けたい方には、本書において語られた王朝時代の確かな史実を、きれいさっぱりと忘れてしまっていただきたい」とありました。潔い！

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