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うたかたの娘

綿原芹

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784041166215
ISBN 10 : 4041166217
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2025
Japan

Content Description

目の前にいるのは本物の魔だ。恐ろしいのは、そう思っているのに抗いがたい魅力を感じていることだ。道に佇む不気味な人物をきっかけにしてナンパに成功した「僕」。相手の女性と雑談をするうちに故郷の話になる。そこは若狭のとある港町で、奇妙な人魚伝説があるのだ。そのまま「僕」は高校時代を思い出し、並外れた美しさで目立っていた水嶋という女子生徒のことを語る。彼女はある日、秘密を「僕」に明かした。「私、人魚かもしれん」幼い頃に何かの血を飲んだことで、大病が治り、さらには顔の造りが美しく変化したのだと―。圧倒的な美しさ。それは人生の救いか、破滅を呼ぶ呪いか。第45回横溝正史ミステリ&ホラー大賞大賞受賞作。

【著者紹介】
綿原芹 : 福井県出身。2025年「うたかたの娘」で第45回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈大賞〉〈カクヨム賞〉をダブル受賞。本書がデビュー作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • パトラッシュ

    人と人魚の関係にまつわる悲劇と呪いを描くため、全編を高橋留美子の絵で読んでいる錯覚に襲われる。最初の3編では人魚の肉を食えば不老長寿になれる、絶世の美貌を得られるとの言い伝えを信じて、欲に駆られた人びとが手を出してしまうドラマが展開する。しかし人ならざるものを取り込む禁忌を犯した者の望みは報われず、いつの間にか消えてしまうのだ。その謎が最終編で明らかになると、人の業を受け止めながら永遠の時を生きねばならない人魚の哀しみが切々と迫る。残酷な描写も多いが命の儚さを思い知らされ、美しいカタルシスを感じてしまう。

  • ちょろこ

    若狭のとある港町の人魚伝説をテーマに描いた連作短編集の一冊。読みやすくてスッと入ってくる文章が素敵。容貌の美醜に囚われる人間の心に焦点をあてながら人魚の心なるものが浮き彫りになっていく構成が良かった。各話の、怖さまではいかないちょっとした驚きがまたいい塩梅で、読むほどに面白さも増してきたクセになる世界観。とある人物を幻滅へと仕込んできた第三話は幻想的なテイストも味わえて印象に残る。寄せては返す波のように心に押し寄せる一千年の時。泡のように浮かんでははじける人魚としての境地。せつなさ残す余韻も美しくて満足。

  • 星群

    初読み作家さん。人魚にまつわるホラー連作短編集。ホラーだけど面白かったです!第45回横溝正史ミステリ大賞&ホラー大賞を受賞している本作ですが、選評で米澤穂信さんが『みんなちがって、みんな下衆』っていて、ホントにそうだなと思いました。特に男性陣は救いようがありませぬ。人魚疑惑のあるユミコさんが好むスイーツが必ず塩≠ェ入っているのがツボでした。夏に新作が出るようで、楽しみです。

  • yukaring

    圧倒的な美しさと無邪気な残酷さ。人魚とは呪いなのか祝福なのか。幻想的でディープな世界観にすっかり魅せられるホラーミステリ。完璧な美を持つユミコと謎の老婆、呪いの人形そして彼らと関わってしまった人々。オムニバス形式で描かれる不穏な物語とラストで語られる人魚たちの秘密や悲哀という構成がとても巧み。若狭のある地方に伝わる「薄紅」という奇妙な人魚伝説。人魚を食べると美しく変身するのだと言うが果たして本当なのか?美を求める人間の欲望や愚かさと魔性の美しさを持つ異形の対比が印象的。「へしむれる」の響きが不気味だった。

  • 雪紫

    美醜を感じる心ある限り、そこから逃れることは出来ない。美醜、人間と人魚。境界を越えるとただ墜ちていく(営業向いてないから異動の希望聞いてあげなよ・・・)。美醜の問題が解決しても別の問題が出るだけには変わりなく。残酷とどんでん返しの話なのに最後が切なく、ただ寂しく感じる。人魚だって囚われてるその哀しみは癒えることはないと思う。

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