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フキダシ論 マンガの声と身体

細馬宏通

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784791775637
ISBN 10 : 4791775635
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

平面に一色で、主に単線で描かれるマンガ。時に登場人物の顔は簡略化され、時にコマに発話者が描かれず、時に発されていない言葉までも描かれる…。わたしたちはいかにしてマンガのなかの出来事に注意を向け、物語を読みとっているのか。一コマ一コマ、一つひとつのフキダシ・記号たちをていねいに紐解き、わたしたちがマンガの世界観に入り込めるカラクリに迫る、新しい見方を提示するマンガ論。こんな読み方があったのか!

目次 : 第1部 フキダシにどう向かうか/ 第2部 作品論(話者はどこにいるのか/ 環世界のなかの三項関係/ 対象の描き方/ 聞き手の拡がり/ 内言と語り/ 視覚装置の視認/ フキダシの産み出す環世界)/ 付論 画中スピーチの歴史

【著者紹介】
細馬宏通 : 1960年生まれ。行動学者。早稲田大学文化構想学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • keroppi

    漫画のフキダシについて語った本は、初めてではないだろうか。漫画におけるフキダシは、何の疑問もなく読んでいたが、確かにこのように論じると様々な表現があるものだ。これまでに描かれた漫画を分析しながら、いくつかの法則性を導き出している。ただ、取り上げている漫画に少し偏りがあるような気もする。これから漫画を読むときにフキダシが気になってしまいそうだ。

  • bura

    マンガに於けるフキダシは映像のセリフ以上にその作品性に関与している。コマ内のやり取り(本書では三項関係)から、コマの流れをフォローする役割、その形状による感情表現等々、生命を吹き込まれたフキダシによって更に深くマンガの中に入っていけるのだ。本書はそれらフキダシに関しての徹底したテクストであり、マンガ論として大変有意義な一冊と言えよう。ちなみに取り上げているひとつ「映像研には手を出すな!」の3Dフキダシはデジタル作画ならではの発想で面白かった。これからのマンガの進化に欠かせない基本の書でもあると思う。

  • りんご

    第一部を読むと(漫画を読むのにそんなに難しいことを考えなくても良くないか?)と思ってしまう。でも二部で実例を見ながら考察を読むとなるほど納得です。やっぱり知ってる漫画の方が考察に関しても親しみが持てる。「3月のライオン」は出てきて嬉しい。あのモノローグと吹き出しと書き文字を一緒に並べることがもたらす効果よ。1935年の作品、スピード太郎がね、時代が違うのもあってすごい新鮮でした。

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    伊藤剛の「キャラ/キャラクター」の分類を、その身体と環境が記号的かつ物語的、そしてわれわれ読者の読み方にいかに関わるかという「環世界シークエンス」の捉え方で統合するアイディアは新しい。ならば次に考えるべきは漫画を読む「われわれ」の社会的・身体的なあり方ではないか。90ページで示された『新寶島』論の「わたしたちの意識は、環世界の中でいつの間にかこの係船柱に留め置かれさえする」という感覚から、現代オタクのカップリング萌えにおける「壁になりたい」という主/客の曖昧な欲望を分析できるかもしれないと思った。

  • かめぴ

    いやもう、ちょっと待って面白すぎるんだけど何この考察。フキダシ、読む⁈と言うより見る感が強いアレを、文字大小・フォント等々から行動学的に読みとく。だから読者はこう思わされるのだ。確かにー。ただ…取り上げる漫画、古すぎない⁈笑。

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