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マイナス50℃の世界

Mari Yonehara

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784044094430
ISBN 10 : 4044094438
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2011
Japan

Content Description

トイレには屋根がなく、窓は三重窓。冬には、気温が−50℃まで下がるので、釣った魚は10秒でコチコチに凍ってしまう―。世界でもっとも寒い土地であるシベリア。ロシア語通訳者として、真冬の横断取材に同行した著者は、鋭い観察眼とユニークな視点で様々なオドロキを発見していく。取材に参加した山本皓一と椎名誠による写真と解説もたっぷり収められた、親子で楽しめるレポート。米原万里の幻の処女作、待望の文庫化。

目次 : 1章 本日は好天。外はマイナス21℃(ここは北極よりも寒い国/ 冷凍庫で試験済みの防寒着でも… ほか)/ 2章 凍土のめぐみ(居住霧とたった四時間の太陽/ かたむいた家のナゾ ほか)/ 3章 ヤクートでディナーを(飛行機の三つの大敵/ 凍傷の恐ろしさ―金属は皮ふに“食いつく” ほか)/ 4章 さいはてのさらにはて(ビニール、プラスチックはここでは使えない/ 寒極があるのはなぜ? ほか)/ 5章 酷寒の真実(座右の書/ 思い出に残るごちそう―イルクーツクの和食もどき ほか)

【著者紹介】
米原万里 : 1950年、東京生まれ。作家。59〜64年、在プラハ・ソビエト学校で学ぶ。東京外国語大学ロシア語学科卒業、東京大学大学院露語露文学専攻修士課程修了。ロシア語会議通訳として活躍し、80年、ロシア語通訳協会の初代事務局長、のちに会長を務める。著書に『不実な美女か貞淑な醜女か』(読売文学賞)、『魔女の1ダース』(講談社エッセイ賞)、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(大宅壮一ノンフィクション賞)、『オリガ・モリソヴナの反語法』(Bunkamuraドゥマゴ文学賞)などがある。2006年5月、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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人が住む土地では世界で最も寒い場所の、極...

投稿日:2021/06/29 (火)

人が住む土地では世界で最も寒い場所の、極寒トリビアがたくさん書いてあって大変興味深いです。小学生向けの新聞に連載されていたので、他の米原万里さんのエッセイの様な抱腹絶倒感は無く、優しい文章ですが、サハ国取材時の現地の写真も多数掲載されていて面白く読めました。

ぷーにゃー さん | 不明 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア

    今は亡き米原万里さんによる厳寒のサハ共和国レポート。1985年にTBS取材班の通訳として同行した時のもの。当時は妙齢の35歳。さて、サハ共和国には主としてヤクート族の人たちが住んでいるのだが、このヤクートとは、隣のブリヤート族の言葉で「さいはてのさらにはて」という意味だそうだ。オイミャンコではマイナス71度を記録。彼らのいたヤクーツクの取材中の平均気温がマイナス50度。ただし、こんなに極端な気候だと、人間は単純な思考しかできなくなる(居住者は別)ようで、万里さんのいつもの深くてシニカルな考察は見られない。

  • kaizen@名古屋de朝活読書会

    ロシア語通訳米原万里。TBS「シベリア紀行」の取材談。大黒屋光太郎が200年前に訪れたヤクート。サハ共和国。氷は冷たくなるとすべらない。高床式住居。釣り。飛行機が飛ばない日々。想像を絶する世界。写真 山本皓一,写真解説 椎名誠。青を基調にした写真と白黒写真。単行本は清流出版。発見角川。

  • mukimi

    約40年前に、米原万里氏と椎名誠氏というユーモアと好奇心の日本代表みたいな2人を含む取材班が現ロシアの世界一寒い地域へ旅した旅行記。忙しない日本の新年度からしばし逃避行読書。圧倒的自然を前に命の危機と隣り合わせ、毒舌やユーモアを飛ばしている余裕がなかったのか、荘厳な気持ちに浸っておられたのか、ヒリヒリする米原節は少なめ。極端に厳しい環境下の人間社会は、男性は肉体労働に、女性は頭脳労働に分業していく、との記載には考えさせられた。余裕があるから滞るけど、限界でこそクリアカットになる問題もあるのかもしれない。

  • seacalf

    勿体ぶった言い方はあまり好きじゃないけれど、読書好きで米原万里を知らないと人生を損してると言っても過言ではない。その彼女の初めての作品がこの本。これがとんでもなく面白い。ネタバレしたくないので詳細は書けないが、我々の常識を吹き飛ばす極寒の世界の事象や暮らしかたにもう驚きあきれ果てて笑うしかない。短い時間で読めるので、ぜひご覧あれ。もともと小学生新聞用に丁寧に書かれた文章なので、とても優しくて暖かみを感じる。アキレサンドル・シナメンスキー・ネルネンコこと椎名誠のあとがきも素敵だ。老若男女どなたにもおすすめ。

  • ちょろこ

    世界でもっとも寒い土地、の一冊。ヤクート自治共和国。まず北極よりも寒い地があることに驚かされ、寒い→氷→滑るの常識を見事にひっくり返された。マイナス50度が当たり前、マイナス21度を暑いと感じる世界を隅から隅まで文字ではもちろん目でも楽しませてもらえ、大満足。酷寒の地の写真はどれも美しく、どこか幻想さをまとい魅了されてしまう。黒毛の馬も白馬になるほどのヤクート馬の息づかいが伝わってくる写真には一番心をわしづかみにされた。寒さと幻想さは比例するのかも…なんて、ふと思った。

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