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ISBN 10 : 4480069607
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侍の気構えと行動を規定してきた「武士道」。軍国主義につながったとして、マイナスのイメージも持たれる一方、日本人の美徳を支える倫理的礎として肯定的なイメージを持っている人も、これまた多い。歴史的にみれば武士道は、武家社会が発展した中世に自然発生し、『甲陽軍鑑』等の書物で明文化されていくが、戦闘なき徳川時代になって精神的な「徳義」へと転回した。やがて武家以外の庶民階級にも浸透して、一般の生活経済倫理にまで影響を及ぼすようになっていく。「武士道」の豊かなる実態の歴史を、実証主義史学の方法を用いつつ鮮やかに描き出し、その本質に迫る。
目次 : 現代にとって武士道とは何か/ 武士の誕生―家と氏の成立/ 中世武士のエートス―もののふの道、弓矢取る身の習い/ 明文化される武士道―『甲陽軍鑑』『諸家評定』『可笑記』/ 「治者」としての武士―徳川時代における武士道の深化・発展/ 生き延びるための思想―『葉隠』をめぐる誤解/ 持続的平和の時代の武士道―信義と仇討ち/ 国民文化としての武士道―庶民への浸透/ 武士の社会と経済倫理―資本主義のさきがけ/ 女性と武士道―武士道の主体としての女性/ 明治武士道とその後―近代化と国家主義/ 武士道七則―「忠」「義」「勇」「誠」「証」「礼」「普」/ いま生きる武士道
【著者紹介】
笠谷和比古著 : 1949年兵庫県生まれ。京都大学文学部卒業。京都大学大学院文学研究科博士課程修了、同博士(文学)。専攻は日本近世史、武家社会論。国際日本文化研究センター教授などを経て、同センター名誉教授。これまでにチュービンゲン大学、ベルリン大学、北京外国語学院、フランス東洋言語学院等の客員教授を兼任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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