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士の思想 日本型組織と個人の自立 ちくま学芸文庫

笠谷和比古

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480097361
ISBN 10 : 4480097368
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

織田信長が端緒を開き、徳川時代に育まれた日本型組織。中世・武家社会発祥の「家(イエ)」を核にもつこの組織形態は、従来のイメージとは裏腹に、指導者の柔軟な意思決定と成員の主体性の発揮を可能にさせることにおいて、世界的にも稀有な水準に達していた。多くの内憂外患に対処してきた事実こそが、その雄弁な証しである。日本型組織が生成・発展し、成熟を経ながら近代化に臨んでいった歴史は、現代の組織人が危機に直面した時、何に着目すべきか示唆するところが大きい。日本近世史研究の第一人者による卓抜な組織論。

目次 : 1章 武士団の成立と「家」の形成(在地領主制・武士団・「家」の出現/ 鎌倉幕府と武士領主制の発展/ 国人一揆から戦国大名へと成長)/ 2章 織田信長の組織革命(新しい政治理念と軍団編成/ 超越的専制権力としての信長/ 専制政治の挫折)/ 3章 「御家」と「藩」―日本型組織の成立(タテ型組織としての大名家(藩)/ 主君「押込」の慣行/ 大名家(藩)の権力構造)/ 4章 日本型組織におけるリーダー像(徳川吉宗と享保改革/ 上杉鷹山と米沢藩の藩政改革)/ 5章 近代化に果たした役割(日本型組織の自生的な近代化/ 日本型組織の状況適応能力)

【著者紹介】
笠谷和比古著 : 1949年神戸市生まれ。1973年3月京都大学文学部史学科卒業。1978年3月京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得。国際日本文化研究センター研究部教授を経て、同名誉教授。専門は歴史学・武家社会論。博士(文学、京都大学)。著書『主君「押込」の構造』(講談社学術文庫、1988年度サントリー学芸賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 無重力蜜柑

    近世大名家の組織原理を「日本型組織」の起源と捉え(ているわけでは、厳密にはないというのが著者の弁だが)、その組織的な強さを「個人の自立」という観点から論じた本。日本型組織では「ラインがスタッフの代わりをする」とか「各員の不均質な持ち分の総和が組織の意思となる」とか、個々には面白い議論もあるものの全体としては微妙。そもそもここで論じられている「日本型組織」なるもの自体、日本経済の凋落という意味でも日本社会の変質という意味でも時代遅れだし、歴史的対象からシームレスに現代社会へ接続する議論にも疑問しかない。

  • スプリント

    中世の武家社会から発展した日本特有の組織の歴史と強みについて分析しています。 本書に対する反論に対する再反論も掲載されており深い分析を楽しめます。

  • ELAT

    「士の思想」というタイトルだが、思想というよりは制度の歴史や特色が中心内容だった。徳川時代の身分社会は硬直的というイメージがあるが、実際は、官僚組織の成員である個々の武士が自立的に活躍できるような柔軟さを持っており、それ故に社会が安定的に発展し、近代化の成功にも繋がったという。

  • ryu

    新内閣が縦割り110当番を開設したばかりですが、この日本型組織は藩という国家的行政組織の時代から続いているものであり、お役人がどのように壊し、新しい組織の在り方を再構築するのか楽しみです。

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