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ISBN 10 : 4062883171
Content Description
本稿には、2つのテーマがある。メインテーマは、近代合理主義を育み、世界に議会制民主主義などのお手本を示したイギリス人がなぜ、世襲制の君主制を支持するのかという「エニグマ(謎)」を読み解き、グローバル化する世界における国家、社会とは何なのかについて考えることだ。民主主義の機能不全とアイデンティティの問題は今後、各国に共通する悩みとして深まっていくだろう。グローバリゼーションの最先端を行くイギリスの抱える事情は、多くの国にとって他人事ではないはずだ。
サブテーマは、イギリスとアメリカという「2つのアングロサクソン国家」が主導してきた世界の在り方だ。(中略)
このサブテーマは一見、メインテーマである「王室を通して見たイギリスという国家、社会」とは別次元の話しに思えるかもしれない。しかし、この2つのテーマは密接につながっている。なぜなら、市場経済と自由な社会を両輪とするグローバリゼーションを含め、20世紀以降の世界の歩みは、英米両国の共同プロジェクト的な側面が強いからである。
本稿は、イギリスとその王室を通して、グローバル化する世界の一側面を描くことを試みたものだ。グローバル化時代のガバナンス(統治)を考える一つのヒントとなり、同じように立憲君主制を敷く日本にとって少しでも参考になればという思いを込めて。
(はじめにより)
笠原敏彦(かさはらとしひこ)
毎日新聞編集編成局編集委員。1985年3月東京外国語大学卒。同年4月毎日新聞社入社 徳島支局、大阪本社特別報道部勤務。95年4月外信部配属 97年10月~02年9月ロンドン特派員。ブレア政権の政治・外交、ダイアナ後の英王室、北アイルランド和平など英国情勢のほか、遊軍記者としてアフガン戦争、コソボ紛争などを現地で長期取材。2002年10月 外信部副部長。04年米国務省のIVプログラム(研修)参加。05年4月~08年3月ワシントン特派員 。ブッシュ政権の外交を担当。大統領の外遊先約20カ国に同行。主な課題はイラク戦争、北朝鮮核問題など。08年大統領選前半も取材。08年4月外信部副部長。09年4月~12年3月 欧州総局長(ロンドン)として欧州7支局を統括。12年4月~外信部編集委員。13年4月~ 編集編成局編集委員(オピニオンG統括)
【著者紹介】
笠原敏彦 : 1959年福井市生まれ。東京外国語大学卒業。1985年毎日新聞社入社。京都支局、大阪本社特別報道部などを経て外信部へ。ロンドン特派員(1997〜2002年)として欧州情勢のほか、アフガニスタン戦争やユーゴ紛争などを長期取材。ワシントン特派員(2005〜2008年)としてホワイトハウス、国務省を担当し、ブッシュ大統領(当時)外遊に同行して二〇ヵ国を訪問。2009〜2012年欧州総局長。滞英8年。現在、編集委員・紙面審査委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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佐島楓
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