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革新幻想の戦後史 下 中公文庫

竹内洋

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122061736
ISBN 10 : 4122061733
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
竹内洋 ,  

Content Description

大学キャンパスを支配した“革新幻想”は、何をもたらし、どのようなねじれが生じたのか。そしてインテリと大衆の境目がなくなった現在、社会はどこへ向かうのか。左派と保守の二項対立では要約できない「あの時代の空気」を様々な切り口から掬い上げる。文庫版下巻には補論「鉄のトライアングル―進歩的文化人・岩波・朝日」を増補。

目次 : 5章 福田恆存の論文と戯曲の波紋(福田恆存と清水幾太郎/ 「解つてたまるか!」/ 進歩的文化人をめぐる攻防)/ 6章 小田実・ベ平連・全共闘(颯爽たるデビュー/ 小田実とベ平連/ 歴史のなかで見る全共闘)/ 7章 知識人界の変容(大学解体論と大学教授叩き/ 知識人概念の拡散/ 保守系オピニオン誌の擡頭)/ 終章 革新幻想の帰趨(石坂洋次郎の時代/ 草の根革新幻想/ 大衆モダニズムの帰結)/ 補論2 鉄のトライアングル―進歩的文化人・岩波・朝日

【著者紹介】
竹内洋 : 1942(昭和17)、東京都生まれ。京都大学教育学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程単位取得満期退学。京都大学大学院教育学研究科教授などを経て、関西大学東京センター長、関西大学名誉教授・京都大学名誉教授。歴史社会学・教育社会学専攻。96年に『日本のメリトクラシー』(東京大学出版会)で第三九回日経経済図書文化賞を受賞。『革新幻想の戦後史』で第一三回読売・吉野作造賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 軍縮地球市民shinshin

    補論2を中心に読む。朝日新聞・岩波書店・進歩的文化人のトライアングルが、相互補完することによって「鉄のトライアングル」を戦後長く形成していた。しかしそれはこのトライアングルの外に位置している左翼過激派が存在していたから、朝日・岩波文化人は「中道左派」としてインテリ志向の大衆に支持されてきた。しかし左翼過激派(僕はこれを「わかりやすい職業左翼」とかいいたいが)が消滅し、朝日・岩波文化人が「デモの先頭」に立たざるを得なくなる。東大の威光を背にした進歩的教授の力も失墜してしまった。現代では、朝日や岩波に原稿を書

  • やまやま

    福田恆存、小田実、石坂洋二郎などを題材にその言動と歴史に残したものを分析している。人間にはネガティブな部分があるのにそれを隠して理想的に生きることができるというのは幻想でないか、それを唱える進歩的文化人は虚飾の人間観を持っているのでは、という福田の主張は嗜好(ハビトゥス)の違いで受け入れられなかったという話を昔読んだ記憶があるが、本書でもトレースされている。金嬉老事件の戯曲「解ってたまるか!」が取り上げられているが、この筆致の影響を著者の書くものに感じるのは偏見であろうか。小田実は躁鬱であったとする。

  • ドクターK(仮)

    規範や道徳を重視する日本的な考え方(庶民宗教)が蒸発しはじめた1960年代後半以降、革新幻想は自由や人権意識を声高に主張し、個人的欲望の無規制な解放に至った。庶民宗教という歯止めが外れたことで、大衆エゴイズムが顕在化したのだ。こうした革新幻想と大衆社会化の関係を鮮やかに描き出す本書の展開には、目を見開かれる思いがした。左派でなければインテリではない、という同調圧力が消滅した一方で、見えない大衆(想像された大衆)のご機嫌をうかがわなければならないという「大衆への同調圧力」は、いよいよ強まっている。

  • Ohe Hiroyuki

    下巻では、福田恆存について触れ、戦後保守がどのようにして勃興(顕出)してきたのか、共産党や「世界」にみられる進歩的文化人が見放され、小田実らベ平連が若者らの指示を受けたのか概説する。▼私たちのイメージは、ベ平連といえば、ヘルメットにゲバ棒のイメージだったが、著者の丁寧な説明から、左翼の情勢も日々刻刻と変化していることが分かる。▼本書の最後は、イデオロギーとしての左翼ではなく、文化としての左翼に着目して終わる。▼我が国の政治が戦後良くも悪くも「民意」によって動かされてきたことが分かる一冊であると言える。

  • フォン

    上巻に続き、購読。上巻では、革新の天下とすらいえる、敗戦後から高度成長以前の日本のアカデミズム、言論界の状況を記述していたが、下巻では徐々に革新の天下が終焉へ向かい始め、その描写の数々は、カタルシスを感じる。また、小田実や日本の知識人と大衆の関係性に関する記述は、個人的に思うところがあった。

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