Books

革新幻想の戦後史 上 中公文庫

竹内洋

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122061729
ISBN 10 : 4122061725
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
竹内洋 ,  

Content Description

戦後社会を席捲した「左派でなければ知的ではない」という空気“革新幻想”はどのようなものだったのか。渦中を見てきた社会学者が自分史と交差させながら、膨大な文献と聞き取り調査を駆使して立体的に描き出す。第一三回読売・吉野作造賞受賞作。文庫版上巻には補論「昭和戦前期「左傾学生」の群像―統計的考察」を増補。

目次 : 1章 悔恨共同体と無念共同体(三島由紀夫が描いた都知事選/ 北一輝の弟/ 有田八郎と北〓(れい)吉)/ 2章 『世界』の時代(民主社会党と雑誌『自由』の不運/ どれだけ読まれていたか/ 『世界』のアップ・アンド・ダウン/ 小春日和)/ 3章 進歩的教育学者たち(牙城・東大教育学部/ 教育社会学者との確執/ どこかおかしい教育学/ 知識人の欲望と教育学支配)/ 4章 旭丘中学校事件(北小路昂と北小路敏/ 「おい!おっさん、早く書かんか」/ 皇国少年と平和・民主少年)/ 補論1 昭和戦前期「左傾学生」の群像―統計的考察

【著者紹介】
竹内洋 : 1942年(昭和十七)、東京都生まれ。京都大学教育学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程単位取得満期退学。京都大学大学院教育学研究科教授などを経て、関西大学東京センター長、関西大学名誉教授・京都大学名誉教授。歴史社会学・教育社会学専攻。96年に『日本のメリトクラシー』(東京大学出版会)で第三九回日経経済図書文化賞を受賞。『革新幻想の戦後史』で第一三回読売・吉野作造賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • やまやま

    左翼は理想があり知的で進歩的だというのは幻想である、と現在語ることに大きな困難はないであろうが、(また一方で、サヨクって何ですか、という線まで下がると、逆説的に説明難度が急激に上昇するのも現実であるように思えるが)ワイドショーコメンテーターの言動はかつての進歩的知識人の末裔と捉える著者の分析力は秀逸に感じる。東大教育学部の来歴は苦笑に堪えなかったが、左翼が主流なので人事昇進が極めてバイアスの高いものになると述べる。評者は往時の筑波大学人事と対比して、大学には異質を排除する構造が入りがちと推理するがさて。

  • 軍縮地球市民shinshin

    この本は2011年に単行書が出た当時に読んでいた。今回買ったのは補論1を読むため。「左翼であらねば学者にあらず」の風潮は、現代は「リベラル」に改まっただけでかつてのそんなに変わらないのかもしれない。会う人会う人みんな「反アベ」である。では安倍政権を倒した先に彼らは何を考えているのか?おそらく何も考えていないだろう。現状に不満を持ち、それを倒すことだけで思考停止しているだけの人たちというのは、かつての日本にも存在した。上巻は戦前から戦後初期の左派のひとたちの言説・行動を分析している。

  • ドクターK(仮)

    「左派にあらざればインテリにあらず」という帯のコピーの通り、高学歴であるほど革新的、左翼的な思想になびいていく時代がかつてはあった。マルクス主義者に代表されるように、インテリ風情の左派は往々にして形而上学的な議論に終始し、庶民的な常識、良識の感覚から乖離していくように思える。その乖離を見て、彼らは「自分たちが無知な民衆を啓蒙しなければならない」と思い込む。本書では、こうした進歩的知識人たちの時代がどのように形成されたのかが考察されているが、著者自身の体験を差し挟むことで説得力を持ち、読み物としても面白い。

  • 1950年代、60年代は『世界』や革新が強かったという幻想をデータや出来事をもとに揺さぶる(というか否定する)。東大教育学とか京都旭丘中学校事件とか、なかなかすごくて驚かされる。

  • Ohe Hiroyuki

    社会学者の著者が、20世紀初頭から中盤にかけての我が国において、「革新」の雰囲気について叙述した一冊である。▼社会学者が、自身の体験を交えた書籍となっているため、文体が面白い。ともすれば、週刊誌のように細かい話が書かれているときもあれば、時に専門的な分析もなされている。▼上巻では、有田八郎と北ヤ吉に焦点を当て、戦前のエリートがなぜ左傾化したと見えるのか、その背景事情について触れている。京都旭丘中学事件を挙げ、教育界の様相についても触れている▼本書は、当時の雰囲気を掴むには好個の一冊であるといえる。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items