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夏日狂想 新潮文庫

窪美澄

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101391472
ISBN 10 : 4101391475
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
窪美澄 ,  

Content Description

明治末の広島に生まれた礼子は、自由のない故郷を出奔。女優を目指しながら、年下の詩人、水本と暮らしていた。そして出会った文壇の寵児、片岡。礼子は才能ある二人の男を愛し、求められ、引き裂かれていく。三角関係が終焉を迎え礼子が見つけたのは、自らも「書きたい」という情熱だった??。誰のミューズでもない、自分の言葉を紡ごうとするひとりの女を創り上げた、魂を震わせる長編小説。

【著者紹介】
窪美澄 : 1965(昭和40)年、東京生まれ。2009(平成21)年「ミクマリ」で女による女のためのR‐18文学賞大賞を受賞。受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位、’11年本屋大賞第2位に選ばれる。また同年、同書で山本周五郎賞を受賞。’12年、第二作『晴天の迷いクジラ』で山田風太郎賞を、’19(令和元)年、『トリニティ』で織田作之助賞を、’22年『夜に星を放つ』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • エドワード

    明治の末、広島で生まれた野中礼子は、ミッション系の女学校に通う器量良しの少女。大正ロマンの時代。少女雑誌を読み女優を夢見る彼女は、父を突然失い上京し、松竹の大部屋女優となる。礼子の自由な精神には既視感がある。そう、朝ドラのヒロインだ。女優を諦めた礼子は酒場のマダムとなる。礼子の美貌と知性は男たちを惹きつける。詩人の水本、作家の片岡と橘。ファム・ファタルでは朝ドラ向きでないね。彼女を愛した男たちは大成し、早逝する。礼子は戦後、少女雑誌に誘われ、小説とエッセイで人気作家となる。波乱万丈の女の一生、面白いです。

  • 桜もち 太郎

    全くの予備知識もなく手にした一冊。冒頭に中原中也の詩が出てくるので、そうなのかと思った。主人公は幼いころから「器量よし」と言われていた野中礼子が女優を目指し広島から東京、京都そして東京へと舞い戻る。彼女のそばには常に文章に携わる男がいる。その一人が「水本」そして三角関係にあった片岡だ。これら全て実在の人物。水本は中原中也、片岡は小林秀雄、そして礼子は長谷川泰子。礼子の心の奥底には死ぬまで水本がいた。それを知りながら関係を持つ片岡。「毒婦」「男二人を手玉に取った女」と揶揄される。→

  • アリーマ

    中原中也と小林秀雄に二股かけた長谷川泰子という女優がモデルの主人公。しかし、実に絶妙なフィクション化がされている。主人公にはほぼ感情移入できないのだが、ラスト作家としてやっと独り立ちしたところで長い若気の至りが収束。牽引力は相変わらず素晴らしくて、一気にそこまで読んだ。★★★★

  • のじ

    長谷川泰子をモデルにして書かれたフィクション、とは知らずに読みだしてしまったので、始まってしばらくたってから、どゆこと?ってなってしまった。ある程度は今までのいろんな資料から史実に肉付けして書いているんだろうと思うけれど、どこからが創作なんだろうか。なんとなく、似た別の世界に住んでいた詩人とその詩人を愛した人、という感じの読み方になってしまった。中也は若くして死んでしまったが、もし生きていたらこんな風に最後まで気持ちが続いただろうか。いろんなことを考えてしまいます。

  • *takahiro✩

    中盤まではなかなか話に入り込めずもう少しで読むのをやめてしまうところでしたが、水本の死の辺りから一気に引き込まれ、後は一気に読まされました。戦争の記述では昭和天皇への怒りが生じ、広島訪問での学校の悲劇には涙が止まりませんでした。最初の本が売れた後からのエピローグの様な最終盤は沁み沁みと心に深く届き、とても良い本だったと思います。

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