Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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• T.Y.

  読了日：2014/12/25

  1863年の落選者展で《草上の昼食》はスキャンダルを起こしたのか、その裏で忘れられたもう一つのスキャンダルとは。マネ作品の死後売り立てにおけるデュレ等の工作。ゾラ、ボードレール等のマネ評言説の背景。「近代絵画の父」マネ、そして彼から印象派の流れを正道とする歴史観が生まれた過程を緻密な文献研究によって解明する。問題になっているのは、そうした史観を否定して別の真実を掘り起こすことではない。歴史とはある観点から回顧的に形成されるしかないことを自覚した上で歴史形成の構造を露わにする、超メタ的な美術史批判。

• Yosuke Saito

  読了日：2011/12/03

  筆者が「あとがき」で述べるように、本書の問題意識は、モダニスム批判、フランス中心主義批判、そうした態度をとって「正統」としてきた研究者への批判の三批判から作られている。そしてそれに対して筆者が構想した「三批判書」のひとつとして本書は位置づけられる。

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