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「新自由主義」の妖怪

稲葉振一郎

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784750515472
ISBN 10 : 4750515477
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2018
Japan

Content Description

あるときはグローバル資本主義の先兵、またあるときは自由放任主義と格差拡大の犯人…だが、その実体は?見るものによってその姿を変える「新自由主義」と呼ばれるイデオロギーの正体を、ケインズ経済学/新古典派経済学/マルクス主義経済学の歴史と、戦後日本の経済思想史を丁寧にひもときながら突き止める。

目次 : 第1章 マルクス主義の亡霊/ 第2章 ケインズ復興から見えるもう一つの経済史/ 第3章 「保守本流」思想としての産業社会論/ 第4章 冷戦崩壊後の世界秩序と「新自由主義」という妖怪/ エピローグ 対立の地平の外に出る/ 付論 現代日本の政策論議

【著者紹介】
稲葉振一郎 : 1963年、東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業。東京大学大学院経済研究科博士課程単位取得退学。岡山大学経済学部助教授を経て、明治学院大学社会学部教授。専門は、社会哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • Mealla0v0

    本書は、新自由主義とは、それを批判するものが認識しているような体系だったイデオロギーではなく、冷戦以後にマルクス主義者たちが自らの延命のために生み出した「敵」の幻影にすぎないとする。実際それはそうだろう、雑多な実践の束でしかないのだから。個人的な関心は、産業社会論と村上泰亮の評価。日本特殊論を否定して、社会科学的な用語によって、日本の近代化を正当化する言説であったと指摘。開発主義は近代化を産業政策によって推進する限りで意味があるとした。最後のケインズとマネタリズムの関係も興味深いが、独特の文体が……

  • 有智 麻耶

    「新自由主義」が「主義」と呼ぶに値する思想的なまとまりをもった立場なのかを問い、否を叩きつけている。経済学に疎いため、すべてを理解できたわけではないが、マルクス主義と産業社会論の対立と、後者の衰退による「新自由主義」(?)の担ぎ上げ、これらの対立の地平の外部に立つものとしてのケインズ主義の再評価のような歴史が語られていたように思う。著者がどのような「新自由主義」批判を批判しようとしているのかがあまり明確ではなく、〈「新自由主義」批判〉それ自体が妖怪なのではないかという印象ではある。

  • 田中峰和

    社会主義体制が次々崩壊した後、マルクス主義は現実味を失った。資本主義から社会主義への発展段階論が否定されれば、そのあとはどうなるのか。レーガンやサッチャーが推進した新自由主義が社会主義を葬ったような印象だが、新自由主義にはイデオロギーなど存在しない。実際、新自由主義の盟主とされるフリードマンやハイエクに主義とされるほどのまとまりはない。70年代、政府介入による不況対策を推進したケインズ経済学はインフレと財政赤字の副作用を生むと批判されたが、リーマンショックで新自由主義批判に転じ、ケインズは復活したようだ。

  • ゆえじん

    新自由主義批判はかたちを変えた資本主義批判でしかない.というのがざっくりとしたまとめだろう.リベラルの批判する新自由主義なるものが、胡散臭いというか、経済学上にうまく位置付けられないというのは前から思っていたが、稲葉振一郎氏は、丁寧に分析・解体して適切な理解を促している.新自由主義は体系的なイデオロギーとはならず、表層的な政策のリストにしかならない.というのはフリードマンの『資本主義と自由』を読めばわかる.政府がやる必要のないことを取り出しては根拠づけを与えていくことが、新自由主義の仕事ということか.

  • A

    新自由主義は、冷戦終了後の産業社会論没落によりマルクス主義者が作り出した新たな敵であり、体系的な思想ではない。それはいわば実態のない妖怪のような存在である。

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