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セーラームーン世代の社会論

稲田豊史

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784799104385
ISBN 10 : 4799104381
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2015
Japan

Content Description

本書は、「セーラームーン世代」を分析する本です。『セーラームーン』に登場した敵の主張には、セーラームーンたちの「正義」が隠れており、さらにセーラーチームの日常は、現在のアラサー女子の仕事観や、女性観などに多大な影響を及ぼしています。また、月野うさぎを分析すれば、セーラームーン世代の恋愛観までもが浮き彫りに……。
「『セーラームーン』ってこんなに深かったの!?」と思わずにはいられない読み応えたっぷりの1冊!

「セーラームーン世代」とは、『美少女戦士セーラームーン』シリーズを少女期に観て熱狂した女性たちのことだ。主に、2015年現在で28歳前後の、いわゆる「アラサー」のことを指す。
そして、何より、セーラームーン世代はいま、社会の中核に位置している。
彼女たちの多くが、現在、結婚や出産などで大きなライフイベントに直面し、仕事との折りあいを中心とした決断を迫られている上、何かと話題にされがちである。まさに、セーラームーン世代は、「渦中の人」なのだ。本書は、そんな「セーラームーン世代」をとことん分析する本である。
特に、彼女たちを探る大きなカギとなる第2章では、シリーズごとの敵を見ていく。そうすることでセーラームーン世代の価値観を見出すことができるからだ。たとえば、もっとも視聴率が高かった『美少女戦士セーラームーンR』に出てきた「あやかしの四姉妹」を覚えているだろうか。登場したころのあやかしの四姉妹は、盤石の結束力を誇るセーラーチームとは正反対。化粧やファッションに互いにダメ出しし、任務においては足の引っ張りあいに終始する。セーラームーン世代は、「魅力的な女の子ほど、セーラーチームのように互いに助けあい、失敗もフォローしあう」というのをしっかりと刷り込まれているに違いない。
続く〈インターバル章〉では、各シリーズのエンディング曲を著者独自の視点で紐解いていく。
第3章では、女性観、友情の形、仕事への向きあい方など、セーラームーン世代なら納得せざるを得ないテーマばかりだ。なかでも、少女時代に好きだったセーラーチームのキャラクターによる性格分析はかなり的確……。
第4章は、ついに「月野うさぎ」に言及する。キーワードは「母性」だ。また、「のび太系男子」との関係にも迫っていく。
次の第5章は、『セーラームーン』の前後に登場した、女の子のロールモデルの変遷を紹介。森高千里や、ドラマ『東京ラブストーリー』のヒロイン・赤名リカ、SPEED、モーニング娘。などだ。
最終章では、少女アニメにおいてはタブーな「セクシャリティ」を見ていく。また、『セーラームーン』に込められていた「LGBT」の要素や、うさぎならでは、の恋愛観なども見所だ。

読後には、「『セーラームーン』ってこんなに深かったんだ……」と思わずにはいられないだろう。少女アニメだとあなどることなかれ。

[著者紹介]
稲田豊史(いなた?・とよし)
●編集者/ライター。
●キネマ旬報社でDVD業界誌編集長、書籍編集者を経て2013年にフリーランスとなる。
●『ヤンキー経済消費の主役・新保守層の正体』(原田曜平・著、幻冬舎)構成、評論誌『PLANETS』(PLANETS)『あまちゃんメモリーズ』(文藝春秋)共同編集、『ヤンキーマンガガイドブック』(DU BOOKS)企画・編集。
●出版社時代の編集担当書籍は、『団地団〜ベランダから見渡す映画論〜』(大山顕、佐藤大、速水健朗・著)、『成熟という檻『魔法少女まどか☆マギカ』論』(山川賢一・著)、『全方位型お笑いマガジン「コメ旬」』(以上、キネマ旬報)ほか。
●「サイゾー」「アニメビジエンス」ほかで執筆中。
●映画、藤子・F・不二雄、90年代文化、女子論が得意。

【著者紹介】
稲田豊史 : 編集者/ライター。キネマ旬報社でDVD業界誌編集長、書籍編集者を経て2013年にフリーランスとなる。「サイゾー」「アニメビジエンス」ほかで執筆中。映画、藤子・F・不二雄、90年代文化、女子論が得意(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ユカ

    著者がセーラームーンを好きすぎる(笑)。とてもおもしろかったです。著者の言葉の選び方も愉快でした。この本ではセーラームーン世代の上がナウシカ世代とされていますが、わたしはちょうどその谷間かも。ドラえもんやドラゴンボールなどの少年漫画に育ててもらった世代。なのであまりピンときませんが、セーラームーン世代には大きな期待をしたくなる。周りのアラサーちゃんが全員、この世代の特徴にあてはまるわけでは全然ないけれど。子どものころにセーラームーンが大好きだった人や、大人だったけど大好きだった人の感想を聞きたいです。

  • 佐島楓

    社会とのすり合わせの中で「自分らしくかわいく」あるにはどうすればいいか、という戦いに身をさらしているのがこの世代の女性ではないかと思う。

  • せ〜ちゃん

    ★★★★ 読み放題♡ 面白かった!

  • 亜希

    ”セーラームーン世代”とは1982〜93年生まれ、2015年現在で28歳前後の、特にアラサーと呼ばれる女性たちを指すそうで。ドンピシャかつセーラームーンを崇拝している身としては、かなり面白かったです。所々こじつけ感の強い論説もあるけれど(特に後半)、セーラームーン好きならなるほどなーと納得できる話も多く、たまに辛辣なツッコミもあり、ニヤニヤしながら読んでしまいました。とにかく知識量が半端ない、これは相当ファンだなと思ったら、著者が男性でビックリ。久しぶりにアニメを観たくなりました。

  • ゆき

    セーラームーン世代ドンピシャなので、面白かったです。こんなキャラクターいたなとかこんなセリフあったなぁとか懐かしかったです。

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