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満洲の二十歳 1945年夏ロシア侵攻-99歳の遺言

稲毛幸子

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784802401371
ISBN 10 : 480240137X
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

婦女誘拐、強姦―ソ連兵に狙われた若い娘たち。昭和二十年八月九日。凄まじい爆音が鳴り響いた。ソ連軍参戦によって満洲、北朝鮮にいた日本人の運命は一気に暗転した。もはや残り少なくなった体験者の一人としてこの記憶はぜひ遺しておかなければならない。大正生まれ、99歳の女性が戦争を知らない世代に贈る“遺言”。

目次 : 北満の北安/ ソ連の宣戦布告/ 露兵がやってきた/ 舞う注射針/ 女露兵現る/ 腕時計と露兵の知性/ 婦女暴行と拉致/ 隣家の悲劇/ 終戦/ 顔に味噌を塗る/ 北安脱出/ 新京行きの車内で/ 大都市・新京/ 「死の収容所」で見た風景/ 三人の全裸の兵隊/ 新京での新生活/ 真田虫/ 娘たちに命を救われる/ 西陣織の袋帯/ 射殺/ 劇薬との闘い/ 「マンマ、マンマ」/ 母の言葉/ 阿片との葛藤/ 生き抜くための名案/ 新京の冬/ 濁酒の販売を始める/ 新京市街戦/ 神風よ、いずこに/ 引き揚げ開始/ 病院船の中で/ 日本上陸

【著者紹介】
稲毛幸子 : 1923(大正12)年1月1日、東京都に生まれる。出生した年に関東大震災があり、両親の故郷である山形県に引き揚げ。5歳時に両親の仕事の都合で仙台に引っ越す。19歳の時、同郷で10歳年上の男性と結婚。その後、満洲林産公社に勤務する夫について渡満。満洲北部の街・北安で終戦を迎え、その後満洲国の首都・新京へ移動。終戦後一年近く足止めを余儀なくされる。引き揚げ後は、実家のある仙台市へ。そのまま二年半の入院生活を余儀なくされる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • クロネコバス

    終戦後、1年以上かけて満州から日本の佐世保に脱出する様を読みやすい文体で描く。更に満州からの引き揚げを文学的に読みたい方には宮尾登美子さんの「朱夏」をお薦めする。私の祖父母と父が満州で終戦を迎えた。幸い早い段階で引き揚げ船に乗れたので、ここにある程の苦労はしていないと聞いている。ウクライナに平和が訪れますように。

  • GELC

    本当によく生きて帰国されたな、というのが正直な感想。終戦引き上げの凄惨な実態の、一市民としてのナマの体験記として極めて貴重だと感じた。娘さん二人を亡くされたエピソードは辛すぎて、最初読んだときは飛ばして読もうと思ったほどだった。タイトルにも通じるところがあるが、神様などは存在しないと観念して、必要の無い見栄は捨てて、しかし帰国の希望と、日本人女性としての根源的なプライドは保ち続けたことが、生還に繋がったように思う。

  • ソバージュ

    図書館本。筆舌に尽くし難い満州引き揚げ体験記。味噌を顔に塗りたくり自衛された事から、日本目前にコレラ検査で船から1ヶ月降りられないもどかしさまで、恐怖、飢餓、病、虫、凄寒・・終始これでもかと綴られる凄惨さに戦慄し、極限状態に置かれた人間の卑しさや滑稽さにも絶句しながら一気に読了。才筆な方。

  • NAGISAN

    満州からの帰還については多くの書物があるが、他書と比較して、主婦のありのままが描かれている。読みやすい。悲しく辛い気持ちを押し殺して、書籍化し後世に残された著者に感謝します。お元気にされてください。

  • 徳庵爺

    何の罪もない戦争の犠牲者たちに思いを寄せて欲しいと書いた「遺書」。著者は、満州で敗戦を迎え、貧しい食事と劣悪な環境で、幼児2人が餓死するという悲惨な体験をされました。女性たちは、露兵による拉致・凌辱から逃れるために、顔に墨を塗り、頭を坊主にしたものの、すぐに効果が無くなりました。著者は顔に味噌を塗り、腐臭と腫れあがった異様な容貌で難を逃れました。帰国の船では、原野の百花繚乱の花などが浮かんできたといいます。満洲でのつらさを受け留めてくれたのは、心に沁みる大陸の風景だったとは、その悲しみの深さが分かります。

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