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マスメディアとは何か 「影響力」の正体 中公新書

稲増一憲

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121027061
ISBN 10 : 412102706X
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2022
Japan

Content Description

「マスコミを信じるな」。ネットの浸透に伴い、高まるマスメディア不信。長く独占的地位にあった新聞、ラジオ、テレビに、近年は不要論まで語られる。社会にとって、マスメディアとはどのような存在なのか。そもそも、「世論を動かすほどの大きな影響力を持つ」というイメージは真実なのか。長年の研究成果をふまえ、問題視される偏向報道、世論操作などの実態を科学的に検証し、SNS時代のメディアのあり方を問いなおす。

目次 : 第1章 マスメディアは「魔法の弾丸」か―強力効果論とその限界/ 第2章 マスメディアは人々に影響を与えない?―限定効果論の登場/ 第3章 社会に広がる「2つのバイアス」―第三者効果と敵対的メディア認知/ 第4章 「現実認識」を作り出すマスメディア―「新しい強力効果論」の出現/ 第5章 マスメディアとしてのインターネット―「選好にもとづく強化」と注意経済/ 第6章 メディアの未来、社会の未来―「健全な民主主義」のための役割

【著者紹介】
稲増一憲 : 1981(昭和56)年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。同大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(社会心理学)。武蔵大学社会学部助教、関西学院大学社会学部准教授を経て、2018年より同大学社会学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 佐島楓

    「第三者効果」という言葉を初めて知った。「他者に対するメディアの影響力を過大視する傾向」のことらしい。要するに上から目線で自分より他人のほうが影響されるだろうと評価することなので、強いバイアスである。複数のメディアをこちらが選択できる現代においては、どれだけ正確な情報源に当たり、さらにそれを分析できる能力を持っていないといけない。不断の勉強が必要。

  • HANA

    マスメディアというと基本放送自体を論じられる事が多いけど、本書はそれを受け取る側の意識や行動を論じた一冊。過去行われた実験等が手際よくまとめられてわかりやすく紹介されている。紹介されているのは年代順に「限定効果論」「第三者効果と敵対的メディア認知」「新しい協力効果論」「選好に基づく強化」等。インターネットでよく目にするのがエコーチェンバーとフィルターバブルだけど、マスコミの選別ではなくAIによるアルゴリズムによって起こされるというのは面白く思った。ただ著者はマスコミの無謬性を信じすぎているきらいがあるが。

  • あんさん

    マスメディアによる世論への影響・効果について、数々の理論を紹介し、インターネットを含めメディアと社会の将来を考察、どちらかというと学術的なタッチの本。インターネットで表示される記事はパーソナライズされるのでどうしても偏ったものになる。「セレンディピティ」や「見るべき情報」を得られるよう世の批判も承知しながらもマスメディアと付き合っていこう。「すべての人が自分の見たい情報だけを見るようなれば、少なくとも民主主義は機能不全に陥り、結果として個人も不利益を被る」「マスメディアへのステレオタイプを鵜呑みにするな」

  • syuu0822

    マスメディアは偏向しており、故に有害である…という風潮がネットにありますが、本書はそんな風潮に対して、改めてマスメディアとは何か?人々にどのような影響を与えるのか?を検証しています。マスメディアは確かに人々の物の見方に一定の影響は与えるが、かといってネットのみに頼るのは危険で、マスメディア+ネットの両方を総合的に利用して情報を収集するべきということかと思います。 最後の方で、記事を自動で作成する自然言語処理の話が出てきましたが、chatGPTの登場に驚いていた自分としては、新しい視点でした。良書。

  • おおかみ

    まことしやかに跋扈するマスコミ不信は果たして根拠を有しているのか。何十年も前のステレオタイプが生き続け、増大しているのは薄々感じていたが、データ・サイエンスに基づいて最新のメディア環境を分析した一般書というのは少なかったのではないか。メディア論の歴史を追いながら、いかなる条件下でマスメディアが影響力を持つのかを明らかにし、(根拠のない)マスコミ不信が進んだ先の民主主義の危機を憂う。しかし偏った思考の人が本書のような精緻な研究に触れるとはそもそも思えず、明るい未来像はどうにも描けそうにない。

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