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ISBN 10 : 438942114X
Content Description
中世の精神文化を代表する偉大な作品といえば、だれでもゴシック大聖堂と共にトマス=アクィナスの『神学大全』をあげる。しかし多くの人は、いわば遙かな時代の記念碑であるかのようにトマスを遠くから眺め、讃え、そしてそのまま行き過ぎてしまう。近づいてその生の声に耳を傾ける人は稀である。たしかに、ラテン語の膨大な著作の奥にいるトマスその人と出会うことは難しい。トマスの同時代人たちも、かれを「革新者」として讃え、あるいは危険視したが、その「革新」の深い意味は理解しなかった。しかし、トマスを斥けるところから出発した近代思想が、あらゆる面で行きづまっているように見える今日、もう一つの「選択肢」としてのトマス思想を見直す必要があるのではないか。本書はトマスの生の声を伝え、読者をトマスその人との出会いに導こうとする試みである。
目次 : 1 幼少年時代―山城と修道院/ 2 ナポリ大学時代―アリストテレスとドミニコ会/ 3 修業時代―ケルンとパリ/ 4 神学教授として―トミズムの誕生/ 5 イタリア時代―トミズムの成熟/ 6 第二回パリ時代―挑戦と応答/ 7 帰郷と最後の旅―思索への没入と啓示/ おわりに―トマスと現代
【著者紹介】
稲垣良典 : 1928(昭和3)年、佐賀県に生まれる。東京大学文学部卒業。アメリカ・カトリック大学に学び、Ph.D.取得。文学博士(東京大学)。南山大学教授、九州大学教授、長崎純心大学教授を歴任。九州大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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