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生き物が老いるということ 死と長寿の進化論 中公新書ラクレ

稲垣栄洋

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121507655
ISBN 10 : 4121507657
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2022
Japan

Content Description

イネにとって老いはまさに米を実らせる、もっとも輝きを放つステージである。人間はどうして実りに目をむけず、いつまでも青々としていようとするのか。実は老いは生物が進化の歴史の中で磨いてきた戦略なのだ。次世代へと命をつなぎながら、私たちの体は老いていくのである。人類はけっして強い生物ではないが、助け合い、そして年寄りの知恵を活かすことによって「長生き」を手に入れたのだ。老化という最強戦略の秘密に迫る。

目次 : 第1章 「老い」は「実り」である/ 第2章 「老い」が人類を発展させた/ 第3章 ジャガイモは死なない―死を獲得した生命/ 第4章 そして男と女が生まれた/ 第5章 限りある命に進化する/ 第6章 老木は老木ではない/ 第7章 「若さ」とは幻である/ 第8章 植物はアンチエイジングしない/ 第9章 宇宙でたった一つのもの

【著者紹介】
稲垣栄洋 : 静岡大学大学院農学研究科教授。静岡県出身。岡山大学大学院農学研究科修了。博士(農学)。農林水産省、静岡県農林技術研究所等での勤務を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • trazom

    稲垣先生の本は、読みやすく、分かりやすくて、ホロっとなって、とてもいい書き手だと思う。売れっ子著者なのだろう、数多くの出版社から次々に新刊が出るが、最近、どうも内容が重複しているところが気になる。細胞分裂から生殖への進化、オスとメスの分化を踏まえて、生物における「老い」の意味、「死」を獲得した意味と、とても説得力のある解説が展開されるが、少しづつ趣向を違えながらも本筋は同じ著作を何冊も読むのは、少し辛い(買う前にきちんと確かめろと諫められそうだが…)。本書は、中公新書ラクレらしく読みやすいのが特徴。

  • なお

    本書は老いる事を「人間にとって生き残る為の戦略」であると言う。著者は静岡大学大学院農学研究科教授。科学的に他の動植物と比較し、人間が進化の過程で何故老いて死ぬという選択をしたのか論じている。全ての動植物は種を絶やさない為の戦略を持っている。その中で人は生まれただけでは生きていけない生物。年長者によって育てられ生きる為の知恵を学ぶ。だからこそより経験を積んだ老人は大切な存在との説が有り難い。人類は「老い」を勝ち取りその実りを活かす事で発展を遂げた。死は種にとって存続していく為に意味のある事だと書かれている。

  • クリママ

    38億年前に誕生した生物。分裂で増える単細胞生物は死なない。死の起源は18億年前。本能で生きる昆虫などは、昨日まで元気だったのが、生殖が済めば即座に死ぬ。知性で生きる哺乳動物は、親が子に生き方を教える期間が必要なので、その間は死なない。祖母がいるのは、ヒト、ゾウ、シャチの3種だけ。祖母がいれば、その集団の寿命が延びる。よくわかったけれど、老化についてはまだ解明されていないようだ。終章は、精神論的な。う〜む。盛んな時期に死ぬのは辛いだろうな。衰えていくのは、穏やかに死ぬための準備なんだろうな。

  • けやき

    生き物は何故老化するのか?人間が長生きする意味とは?結論は分からないということだったが長生きしてみたくなる本でした。

  • kan

    いつもの稲垣先生節が炸裂する。なぜ人間は、若々しく死ぬセミや、役目を果たすと死ぬ鮭などの生き物とは異なり、不思議な「老い」のステージがあるのか。コメの実りや、年輪を重ねる巨木や一年生植物を引き合いに出しながら、自由でめでたい老いのステージを許された人間へ温かく穏やかなエールに満ちた一冊。内容としては、別著と重なるテセウスの船や遺伝子の乗り物としての生物という観念が通底し、大仰な「生きる意味」などなく生かされているのだなあと宗教的・哲学的な視点を得られる。帯で著者が人気エッセイスト扱いなのに笑ってしまった。

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