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生き物が大人になるまで 「成長」をめぐる生物学

稲垣栄洋

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784479393511
ISBN 10 : 447939351X
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2020
Japan

Content Description

幼虫時代はなぜ必要?踏まれた雑草は、どう育つ?子に噛みつくキツネは残酷?生き物が大人になるまでの、様々な不思議。本能に頼る虫、知能を選んだ動物、したたかな植物―。驚きの戦略の数々。

目次 : 第1章 大人と子どもはどこが違う?(大人は子どもより大きいのだろうか/ 早く大人になるって、いいことなの? ほか)/ 第2章 「遊び」と「学び」(カマキリの赤ちゃんも遊ぶのだろうか/ どうして、トンボは学習しないのだろう? ほか)/ 第3章 「ふつう」ってなんだろう(くっつき虫の実の中を見たことがありますか?/ 脳は「たくさん」が苦手 ほか)/ 第4章 成長の計り方(この植物の成長を計りなさい/ 雑草は踏まれても立ち上がるって、本当? ほか)/ 第5章 成長する力は、どこにある?(「人は成長しなければならない!」って、本当?/ 昔の人は、イネを作らなかった?)

【著者紹介】
稲垣栄洋 : 1968年、静岡県生まれ。岡山大学大学院修了。農学博士。専門は雑草生態学。農林水産省、農林技術研究所等を経て、現在、静岡大学農学部教授。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • mae.dat

    凄く良かった。本文は読み易いのに、内容は深いよ。 タイトル通り生物が成長する様子をテーマに据えており、様々な、時にはヒトからするとおぞましい様な生態をしてるものも収録されていますが、その紹介がメインではございません。 それぞれの生物がどう環境に適応してきて、そんな成長過程を獲得したのか?とか。本能と学習による行動の違いとは?とか。多様な個性は生存戦略的にどう作用するのか?そしてヒトは?などなど、めたんこ示唆に富んでます。 稲垣せんせー、またまた面白く興味深い本をありがとうございます。( ¨̮ )。

  • kinkin

    大人と子供、遊びと学び、ふつうとは等について動物や植物と比較しながら解説されている。著者の本はよく読むが、いつもながら平易に書かれているので読んでいても疲れない。人間というのは動物界全体で見れば稀有な存在で知能も高い。しかし出産や子供が自立して育つにはかなりの時間が必要ということ、ハサミムシの母親の子育てのことは別の本で読んだことがあるがほんとうに健気な話だ。自然界から人間が学ぶことはまだまだあるだろうし、これからも見つかると想う。挿絵も優しい。図書館本

  • trazom

    稲垣先生を読むのは「敗者の生命史38億年」「生き物の死にざま」に続く3冊目。タンポポから、クモ、トンボ、カワウソ、キツネに至るまで多彩な事例が紹介されているが、「多くの生物は「本能」で子育てをするが、哺乳類は、それを「知能」に委ねた」ことを踏まえて、どうしても「子育てとは」という教育論として読んでしまいがちになり、そうすると面白さが半減する。むしろ、植物学者の先生らしく「踏まれた雑草は立ち上がらない」という話の方が印象的。「踏まれたら立ち上がれ!」という人間の勝手な思い込みに対する痛烈なアイロニーがある。

  • モリー

    人間ほど子育て期間の長い動物はいないという。人によっては、20年以上子育てする親もざらにいる。これは、動物界では異例の長さなのだ。おじいちゃん、おばあちゃん、つまり、親より前の世代が生きてるということも動物界では特異なことであるらしい。全ての生物から共通項を括りだすならば、子供を産んで、死ぬということだ。だが、大人になるまでの期間や子育ての方法は多様である。生物学的に考えれば、それは種を存続させるための、それぞれの戦略と言い換えることが出来るだろう。さて、人間は何故これ程長く子育てしなければならぬのか。↓

  • 森の三時

    数多の生物の中でも人間はやはり特異な位置にいると思いました。他の生物の成長や種の保存についての多様性を知ることは、人間についての硬直的な考え方を見直す契機にもなります。本能で備わっていることで対応して生きていく生物は直ぐに大人になれる一方、後から獲得する知能で対応する、すなわち生きていくために学習が必要な人間は、子育て期間が長く大人になるまでに多くの時間を要する。厄介なことではあるが、それこそ人間たらしめることだとしたら、大人は子どもに子ども時代を急かしてはいけないと思いました。

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