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「核の忘却」の終わり 核兵器復権の時代

秋山信将

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784326302802
ISBN 10 : 4326302801
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

かつてオバマ前米国大統領は「核なき世界」を唱え、専門家の間でも「核の忘却」が語られた。しかし近年、核兵器は復権しつつある。しかも冷戦時代とは違い、地域や相手によって異なる認識枠組みが必要だ。本書は練達の安全保障研究者が核戦略・核抑止の論理をさまざまに検証し、最後に日本に突き付けられた課題を明らかにする。核兵器を「絶対悪」と見なす者も、核兵器の役割を評価する者も、どちらも避けては通れない第一級の議論。

目次 : 序章 「核の復権」の現実/ 第1章 米国―核抑止戦略の再構築/ 第2章 ロシア―ロシア版「エスカレーション抑止」戦略をめぐって/ 第3章 中国―「最小限抑止」から「確証報復」への転換/ 第4章 NATO―「核の忘却」の終焉?/ 第5章 インド・パキスタン―「抑止のための兵器」の20年/ 第6章 核管理とサイバーセキュリティ/ 第7章 「秩序の兵器」としての核と分裂する世界/ 終章 日本―世界で最も厳しい安全保障環境下での核抑止

【著者紹介】
秋山信将 : コーネル大学公共政策修士課程修了、一橋大学より博士(法学)を取得。広島市立大学講師、日本国際問題研究所主任研究員、在ウィーン国際機関日本政府代表部公使参事官などを経て、一橋大学大学院法学研究科教授、専門は国際政治学、安全保障論

高橋杉雄 : 早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了、ジョージ・ワシントン大学政治学修士課程修了。防衛省防衛研究所助手などを経て、防衛省防衛研究所政策シミュレーション室長、専門は安全保障論、日米同盟(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • モリータ

    ◆2019年刊。編者の秋山信将氏は国際政治学・安全保障論が専門の一橋大教授。高橋杉雄氏は安全保障論・日米同盟が専門、防衛研究所室長(両者昨今のTwitter、TVでもおなじみ)。全9章、論者7名。◆本書は「核兵器の存在が国際システムの安定に貢献し続けられるかどうか」や「今後の国際社会における核のあり方」といった問いに向き合う前提として、「各国の核政策や地域安全保障の論理、新たな課題としての新たな技術(サイバー)のインパクトなどに関する分析と論考を提供するもの」(はじめに)。◆図書館で。2022/3/14

  • hurosinki

    近年の安全保障環境の悪化から、核使用の可能性を真剣に考慮せざるを得ない状況になりつつある、と論じる。核のプレゼンスだけでは抑止に不十分で、実際に核戦争を遂行する態勢(損害限定能力含む)を構築しなければ抑止は達成しえない…という議論が各国で台頭している。この考えは核の役割を高め、核使用の敷居を下げうる一方、抑止の信頼性も高め、核使用の可能性を限定できる。

  • お抹茶

    ロシアの核使用が懸念される状況が続く。この本を読むと,それは歴史の帰着であり,決してプーチンの狂気で片づけられないのだと感じた。冷戦後に核軍縮・核廃絶論への支持が拡大し,「核の忘却」時代が到来したが,核拡散の進展と大国間関係の悪化に直面し,「核の復権」の時代が到来した。アジアは域内に中国と北朝鮮とロシアが存在し,核抑止力の観点で世界で最も複雑かつ厳しい環境。核戦略論が本当に核抑止に繋がるのか。少なくとも,核兵器反対だけを唱えて解決するほど甘くないことを実感する。

  • K.

    核に関する広範な論点を網羅していて、特に中国や戦略的安定性に関して理解が深まり、個人的には『正しい核戦略』よりも勉強になった。地域レベルでの中国の通常戦力優位は、米国の限定的核使用へのインセンティブを高めるが、中国の戦域レベルの対兵力核攻撃能力の高精度化&ICBMやSLBMの多弾頭化・射程向上=相互脆弱性の出現によって、米国の核も封じられる⇒中国の第一撃アドバンテージ増大という安定・不安定逆説の構図と、中国のランチャーやNC3の「核常兼備」という危機安定性上のリスクは、日米にとっての深刻な問題に思えた。

  • okadaisuk8

    一歩間違えれば人類滅亡しかねないリスクがあるため、核抑止については相当な研究や考察がなされてきたことがよく分かる。日本を取り巻く環境が複雑かつリスクが高まっていることも分かるが、一方で筆者たちは現状の理論や現況を把握した上で、将来的に核軍縮や核廃絶を目指すことを否定する必要もないと指摘しており、バランスはとれていると思う。

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