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「勤労青年」の教養文化史 岩波新書

福間良明

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784004318323
ISBN 10 : 4004318327
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

かつて多くの若者たちが「知的なもの」への憧れを抱いた。大学はおろか高校にも進めなかった勤労青年たちが「読書や勉学を通じて真実を模索し、人格を磨かなければならない」と考えていた。そんな価値観が、なぜ広く共有されえたのか。いつ、なぜ消失したのか。地域差やメディアも視野に入れ、複雑な力学を解明する。

目次 : プロローグ 「格差と教養」の時代/ 第1章 敗戦と農村の教養共同体―青年団と読書の希求(敗戦と青年団/ 農村教養文化の困難/ 農村社会の閉塞と人口流出)/ 第2章 上京と「知的なもの」への憧憬―集団就職と定時制(上京への憧れと幻滅/ 「進学の代替」としての大企業/ 定時制が生み出す「冷却」)/ 第3章 人生雑誌の成立と変容―転覆戦略のメディア(大衆教養メディアと転覆戦略/ 教養雑誌の衰退と見えなくなる格差/ 断片化する教養)/ エピローグ 格差と教養の乖離

【著者紹介】
福間良明 : 1969年、熊本市生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。出版社勤務、香川大学准教授を経て、立命館大学産業社会学部教授。専攻は歴史社会学・メディア史。著書に『「反戦」のメディア史―戦後日本における世論と輿論の拮抗』(世界思想社、2006年、内川芳美記念マス・コミュニケーション学会賞受賞)、『「働く青年」と教養の戦後史―「人生雑誌」と読者のゆくえ』(筑摩選書、2017年、サントリー学芸賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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西田幾太郎全集を買うために、発行元の岩波...

投稿日:2021/04/19 (月)

西田幾太郎全集を買うために、発行元の岩波書店前で徹夜で行列を作る若者たち。今では信じられない写真が、この本の購入動機だった。そう遠くない昔、若者たちは教養に飢えていた。それはより良い人間として生きるために、不可欠なものだった。若門たちを掻き立てた理由は何だったのか。時代を経てなぜ、教養主義は廃れていったのか。平易な文章と方湯な資料が、現代社会にも深い問いかけを投げかけてくれる。

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ごへいもち

    読友さんのご紹介本。大半面白く読みましたが最後のあたり私の気力切れ

  • そうたそ

    ★★★★☆ 進学することができなかった、嘗ての勤労青年たちが憧憬した教養。そういった価値観の隆盛から衰退に至るまでを追った一冊。地味はテーマではあるものの、すごく興味深く読んだ。敗戦から戦後、そして高度成長に至るまでの勤労青年と教養文化との関係が、コンパクトながらも分かりやすく系統立てて記述されている力作である。現代においては、公開講座であったり、通信教育であったり、あるいは教育制度の充実等、学ぶ機会に溢れたような時代であるが、当時と比べると、知への探究度は衰えているのかも。

  • keint

    青年団・青年学級、定時制高校、人生雑誌、80年代の歴史ブームという切り口から上位校への進学から立たれていた労働青年たちの教養を求める動きの盛り上がりや衰退を丁寧に分析している。 青年学級や定時制高校に通う動機については、現実的な出世の道が絶たれているからこそ教養を求めるという逆説的な考えが多かった事実が面白いと感じた。 また、本書で引用された1975年の安易な歴史ブームへの警鐘は今とあまり変わらないだろう。

  • venturingbeyond

    ここ最近に読了した新書の中でも、かなりの良書。 昭和20〜30年代、後期中等教育〜高等教育への進学がかなわなかった若者たちが、いかに同時代の「教養」に誘因されていったか、また、それぞれの生活の中で「教養」への思いが具体的にどのような学びを形成し、またその思いがどのように挫折を余儀なくされたのか、一読後、パースペクティヴがクリアになりました。 戦後労働運動史と重ねて読むと、また味わい深いところも。

  • 軍縮地球市民shinshin

    終戦直後、若者は教養を欲していた。高校や大学に進学が許された若者だけではなく、貧困のために進学を断念させられた若者もそれは同じだった。それらの若者は定時制高校に進学した者が多いが、当時は定時制を卒業しても高卒扱いされず、昇進や転職にはほぼ意味がなかったという。それでも勤労青年たちが定時制に求めたのは人文社会科学知識、つまり教養であった。定時制にも進学できない若者は『葦』や『人生手帖』といった人生雑誌に活路を見出す。娯楽記事ではなく、柳田謙十郎などの左派知識人が多く寄稿しており、そこで若者たちは人生や労働

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