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ISBN 10 : 4389401033
Content Description
貧困と病気にせめさいなまれながら、理想を求め、あこがれ、苦悩し、二十七歳の若さでこの世を去った啄木。それは日本近代の確立期に、社会と自分との問題を最も真剣に考え、生きようとした人の姿である。その生き方は、わたしたちの人生観に大きな影響を与えずにはおかない。『一握の砂』『悲しき玩具』の両歌集に代表されるその文学が不朽の生命を持ち、人々に広く愛唱されてきたのは、そのような啄木の生き方と無関係ではない。そして真剣に生き、たたかった啄木によって生みだされた文学は、ある意味では、夏目漱石、森鴎外、島崎藤村ら巨匠の文学よりも高く評価されている。啄木は、真に天才といわれるべき人であった。啄木没後百年余、天才の姿は、ようやくわたしたちの前にあきらかにされつつある。
目次 : 第1編 石川啄木の生涯(早熟の天才少年/ あこがれの時代/ 日本一の代用教員/ 流浪/ 明日をみつめる人)/ 第2編 作品と解説(あこがれ/ 雲は天才である/ 我等の一団と彼/ 一握の砂/ 悲しき玩具/ 時代閉塞の現状/ 日記/ 手紙)
【著者紹介】
福田清人 : 1904(明治37)年長崎に生まれる。1927年東京帝国大学文学部国文科卒。立教大学教授をへて、実践女子大学教授、日本近代文学館常任理事を歴任。1995年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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