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ISBN 10 : 4389401106
Content Description
父との対立―内面的葛藤は、志賀直哉の全青年期を支配した「一大精神課題」であったとともに、「生涯最大の劇」でもあった。父に対立し、反抗し、そして苦悩した彼は、このことゆえにかえって創作と実生活への強い意志を示したのだった。そして、志賀文学は、「感情、行動統一体として、強烈、純粋に生きる自我に即して形成される」といわれるように、絶対的な自我肯定の道を辿りつつ発現されたものだった。ここに、「志賀直哉は日本文学の故郷」と言われたり、また広くは、「小説の神様」と呼ばれたりした一因があった。彼の描いた作品は、いずれも、しみじみと、それでいて強く深い感動を読者に与える。名作と呼ばれる数々の短編をはじめ、長年かかって完成した唯一の長編小説『暗夜行路』は、日本文学の代表作品として、また小説の一つの理想形として、今日もなお、多くの愛読者をえているのである。
目次 : 第1編 志賀直哉の行路(幼少年期/ 青年期/ 和解から調和へ/ 静かな創作生活)/ 第2編 作品と解説(三つの処女作品/ 処女短編集『留女』/ 清兵衛と瓢箪/ 城の崎にて/ 和解/ 小僧の神様/ 暗夜行路/ 灰色の月)
【著者紹介】
福田清人 : 1904(明治37)年長崎に生まれる。1927年東京帝国大学文学部国文科卒。立教大学教授をへて、実践女子大学教授、日本近代文学館常任理事を歴任。1995年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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