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ISBN 10 : 4389401084
Content Description
陸奥花巻の富裕な商家の長男として生まれた宮沢賢治は、家庭の仏教的雰囲気の中で成長し、思春期に受けた法華経の感動を生涯持ち続けた。すべての生物の究極の幸福を理想として掲げた賢治は、零細農民の困苦を見るにつけ、家業・商業主義に疑問を抱き、一時社会主義にも接近していった。そして、独居自耕自炊の生活にとび込み、ひたすら前近代的な東北農民の改革に奔走した。生前出版した近代詩史上独自の光彩を放つ心象スケッチ集『春と修羅』も、近代児童文学の傑作・童話集『注文の多い料理店』も、そのユニークさのゆえに文壇の評価をみるに至らなかった。法華経にうらづけられた明日の社会を目ざして猛進した賢治だったが、病魔が三十七歳の肉体を蝕んだ。不遇な一地方作家の清冽な生涯であった。
目次 : 第1編 宮沢賢治の生涯(陸奥の少年時代―賢治文学の母胎/ 懐疑と絶望に誘われて―文学的出発/ あらゆる生物の幸福を索めて―膨張する心象世界/ 心象スケッチの開花―詩人の自負/ 献身と奉仕の中で―農村救済に奔走/ 夢は枯野を―狂おしく調和を求めて)/ 第2編 作品と解説(短歌/ 無声慟哭/ 小岩井農場/ 和風は河谷いつぱいに吹く/ ひとひはかなく/ 雨ニモマケズ/ 銀河鉄道の夜/ グスコーブドリの伝記/ 風の又三郎/ かしはばやしの夜)
【著者紹介】
福田清人 : 1904(明治37)年長崎に生まれる。1927年東京帝国大学文学部国文科卒。立教大学教授をへて、実践女子大学教授、日本近代文学館常任理事を歴任。1995年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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