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ISBN 10 : 4389401017
Content Description
津軽の大地主津島家に六男として生まれ、旧家の持つ重圧を鋭く感じながら成長した太宰治は、青春の一時期、思想運動の渦中で苦闘した。間もなくその運動から離脱したかれは、裏切り者としての罪の意識にさいなまれながら文学に転身し、処女作『思ひ出』で注目され、つづいての『道化の華』で新進作家としての地位を築いた。以後、昭和の暗い谷間の時代に、その絢爛たる才能を開花させ、戦後の混乱期には『ヴィヨンの妻』や『斜陽』で華やかな脚光を浴び、さらにその生涯と文学との総決算ともいうべき『人間失格』を残した。昭和二十三年六月十三日、玉川上水に投じ、その遍歴の生涯にピリオドを打った太宰治は、不毛の時代に生きる人間の不安と苦悩とを集約的に描きつづけた、ユニークな現代作家といえよう。
目次 : 第1編 太宰治の生涯(地主の子/ 青春/ 処女作前後/ 戦火の中で/ 栄光と死と)/ 第2編 作品と解説(晩年/ ダス・ゲマイネ/ 姥捨/ 富嶽百景/ 走れメロス/ 津軽/ お伽草紙/ ヴィヨンの妻/ 斜陽/ 人間失格)
【著者紹介】
福田清人 : 1904(明治37)年長崎に生まれる。1927年東京帝国大学文学部国文科卒。立教大学教授をへて、実践女子大学教授、日本近代文学館常任理事を歴任。1995年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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