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山本周五郎で生きる悦びを知る Php新書

福田和也

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784569830537
ISBN 10 : 4569830536
Format
Books
Publisher
PHP
Release Date
March/2016
Japan

Content Description

周五郎が直木賞をはじめ、あらゆる文学賞を辞退し続けたことは有名だ。「文学は賞のためにあるのではない」が持論だった。人間の人間らしさを生涯にわたって探求し続け、自らの生活そのものを小説にささげた作家が描いた「悦び」の深みを知る。

目次 : 第1章 赤ひげ診療譚―分かりやすい正義がなぜ心に迫るのか/ 第2章 青かべ物語―浦安生活から三十年後に綴った物語/ 第3章 さぶ―全ては、結末の台詞を書くための道筋/ 第4章 季節のない街―「流れ者の吹きだまり」に住む人々の生き様/ 第5章 柳橋物語―おせんはなぜ、死を選ばなかったのか/ 第6章 樅ノ木は残った(前)―前衛的な「現代小説」/ 第7章 樅ノ木は残った(後)―周五郎は何を描いたのか

【著者紹介】
福田和也 : 1960年東京生まれ。文芸評論家。慶應義塾大学環境情報学部教授。慶應義塾大学文学部仏文科卒。同大学院修士課程修了。『日本の家郷』(新潮社)で三島由紀夫賞、『甘美な人生』(ちくま学芸文庫)で平林たいこ賞、『地ひらく』(文春文庫)で山本七平賞、『悪女の美食術』(講談社文庫)で講談社エッセイ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • シュラフ

    山本周五郎の作品は、「涙とともにパンを食べた者でなければ、人生の本当の味は分からない」というゲーテの名言そのも。我々の人生には納得できないことが多くある。私の場合も理不尽な会社の人事に苦しんで、すべての仕事を投げ出しそうになったことがある。そんな辛い時期を救ってくれたのが山本周五郎の作品。頑張っても報われないかもしれないが、人生を投げ出すなよ、きっといつかは日の目を見るときが来るはずだと、そんなささやきに励まされた。いま若い奴らを見ると、同じようにもがき苦しんでいる奴がいる。自棄になるなよ、と見守りたい。

  • nbhd

    「季節のない街」を読んで、山本周五郎の得体の知れなさに興味を持って、手に取った。福田和也さんって、勢いのある保守系の論壇人だった気がするのだが、この本は作品解説+伝記+紀行のまったりしたもの。【引用】「このノートを小説として再現しながら、作中の人物のひとりひとりに、私は限りない愛着となつかしさを感ずる。この人たちはかつて私の身近に生きていたのだ。かれらの笑い声や、嘆きや怒りや、啜り泣く声が、いまふたたび私のところに帰ってきたのである。それを歪曲することなく、できるだけあったままに私は写し取ってゆきたい」。

  • ペンギン伊予守

    福田先生久しぶりの新刊を読んでみたら、凄みが増していました。

  • マウンテンゴリラ

    権力を求め、それにすがって生きたほとんどの人間が、他人にとっての糧となるものを残さずに死んでいったのに対し、反権力、反権威に生きた山本周五郎が、書物を通じて他人の糧として残したものが、いかに大きいものであったか。本書を読んで先ず気付いたことはこの事であった。権力と、人間の器量や他者への影響力とは、本来全く無関係、やや誇張気味に言うと、むしろ相反関係にあるようにも感じられる。本書に掲げられる小説の中で、個人的に未読の「青べか物語」、「柳橋物語」、そして、既読ではあるが、記憶の彼方に遠くなってしまった→(2)

  • GO-FEET

    ★★★☆

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