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「無理しない」観光 価値と多様性の再発見

福井一喜

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784623092321
ISBN 10 : 4623092321
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2022
Japan

Content Description

これから私たちは、どんな観光をめざせばよいのだろうか。無理な町おこしやオーバーツーリズム、いきすぎた観光投資…。観光の問題は、現代社会そのものの矛盾と結びついている。本書は社会を広くとらえる視点から、「無理しない」をテーマに、地域を守る新しい観光のあり方を提言する。

目次 : なぜ「みんな幸せ」になれなかったのか―観光をめぐる理想と現実/ 第1部 観光で稼ぐのは難しい―観光による経済成長の限界(高級ホテルの従業員は高級ホテルに泊まれる?―観光する人/される人に生じる格差/ 今日の空室は明日売れない―観光が格差を悪化させるのはなぜか?/ 予約サイトに一割持っていかれる―プラットフォームビジネスの限界)/ 第2部 観光と地域の多様性と自由を生かす―「無理しない」観光のかたち(すべての地域が「観光地」をめざすべきなのか?―地域をめぐる政治と自由を再考する/ 無理な町おこしはしなくていい―ローカルな限定性を生かす/ 暮らしやすさを保つ、国土を守る―消費されない観光をめざして)/ これからめざす「無理しない」観光のかたち―価値と多様性を再考する

【著者紹介】
福井一喜 : 1987年埼玉県生まれ。2016年筑波大学大学院生命環境科学研究科地球環境科学専攻、博士後期課程修了。博士(理学)(筑波大学)。現在、流通経済大学社会学部国際観光学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 1.3manen

    自由財の価値はだれにも決められない。演出の工夫しだいで、いくらでも高められる(6頁)。非地位財型幸福:自己実現と成長、つながりと感謝、独立とマイペース、前向きと楽観(18頁)。基幹産業を再生せず、地方財政が悪化したままで、根本原因を直接解決しないまま、観光に膨大な労力をかけても意味がない(222頁)。地域に向いていること、成すべきことを地域が考え実行できるようにすべき。地域再生、活性化なら、観光の外側から真の個性を考えるべき(223頁)。御意。観光とは自由な実践による自己変質の連鎖(250頁)。

  • おせきはん

    観光が本当に地域経済活性化につながっているのか?と何となく感じていた疑問に切り込んでいます。観光で潤っているのはむしろ都市部であることがデータに基づき説明されていて、納得感がありました。地域が観光振興を図るのであれば、それぞれに合わせてどのように取り組むとよいか、自分でも考えてみます。

  • りょうみや

    人為的に作られる観光地を入り口にして地理的、社会的に格差全般を語っている。人が集まるのは一部の地域のみだし、結局儲かるのは大企業になりやすいし地元は非正規雇用が増える。誰のための街だったのかが分からなくなる。個人的には人工的なレジャー施設やイベントよりも初めてのところをぶらっと歩くだけで安上がりで楽しめる。この感覚がタイトルの「無理しない」に近い。

  • tetsubun1000mg

    コロナで国内外の観光客が激減した今、観光と地域活性化についてじっくりと考える良い機会になった。 世界中から観光客を集めていた京都市が慢性的な財政危機に苦しんでいた事実。 海外の観光客で溢れると地元の人にはほとんどメリットがない実態。 観光では地方は潤うことは無いことを証明して見せるこの本はまさに目からうろこがボロボロ落ちる思いがした。 政府の観光立国という政策には経済活性化にはならないという事が分かった。 そういえば沖縄県は観光業が主力だが県民所得も高くないし失業率も高いことが知られているのがその表れ?

  • 羊山羊

    田舎住まい必読。観光立国って最近叫ばれているが、そもそも観光って儲かるのか?地域のためになるのか?という所から価値観を揺さぶりに来る1冊。データから、「観光上で活性化しているのは実は都市部であり、格差拡大にむしろ貢献している」ことを立証し、国の観光奨励についても、「問題の根幹である、行政剤システムの抜本改革が十分に行われないことによる損失を地域住民や関係人口として集められる人々が、地域の活性化という枝葉の改革のための努力と工夫にかける労力とそれによる地域同士の観光客の獲得競争によって補填させられている」

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