Books

皇位継承と藤原氏 摂政・関白はなぜ必要だったのか(仮)歴史文化ライブラリー

神谷正昌

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784642059534
ISBN 10 : 4642059539
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2022
Japan

Content Description

摂関政治は、天皇制の危機を回避するものだったと見直されている。幼帝の即位など皇位継承がゆらぐなか、藤原氏はいかなる役割を果たしたのか。摂政・関白が創出された経緯や、外戚政治の真相を探り、明らかにする。

目次 : 皇位継承をめぐる争い(記紀の皇統系譜/ 世襲王権と世代内継承/ 天武直系と藤原氏)/ 摂政・関白の始まり(皇統の分化から直系継承へ/ 幼帝の出現と摂政/ 皇統の移行と関白 ほか)/ 皇統と摂関政治(兄弟継承の両統迭立/ 摂政・関白と大臣の分離/ 藤原道長と摂関政治 ほか)

【著者紹介】
神谷正昌 : 1963年、千葉県に生まれる。現在、豊島岡女子学園高等学校教諭(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • coolflat

    25頁。崇峻天皇が蘇我馬子によって暗殺されたのは、かつては天皇家を凌駕する蘇我氏の専横を示す事件の一つとして捉えられていた。しかし、これには崇峻天皇の方に問題があったとの見方も提示されている。文化人類学では、未開の王制について次のような指摘がある。王は一度その地位に即いたら、王としての権威・機能は死ぬまでその人物に付随するといい、これを「王の終身性」という。この場合、王が生きたまま他者に王位を譲ったら、王の権威・機能を有する者が複数存在してしまうことになる。したがって、不適格な王を交代させるには、

  • さとうしん

    従来天皇の権力を抑圧するものとして否定的にとらえられがちだった摂政と関白。本書では皇室と藤原氏との関係の推移を年代順に辿ることで、実際には幼帝の即位、傍系からの即位などで皇位・皇統が不安定な状態となることが懸念された際に、外戚や廟堂の首班である藤原氏の氏長者が天皇の後見として摂政・関白となることで、皇位・皇統を安定させる役割を持っていたと結論づける。その他にも関白は摂政から派生したものであること、摂政・関白は原則として終身のものであったことなど、新たな知見が多い。

  • MUNEKAZ

    藤原氏の摂政・関白就任について、本書は藤原氏の摂政・関白を求めた天皇側のアプローチを重視する。兄弟間の皇位継承が度々起こった9〜10世紀において、両統迭立の状況を解消し、自らの直系に皇位を継がせるためには、廟堂の首班にして氏長者を兼ねる大人物の後ろ盾が必要であった。そして、そうした特別な臣下であった藤原氏の人物に与えられた役割が「摂政」と「関白」であり、摂政・関白という役職が先だってあったのではないとする。安定した皇位継承生むのが上皇の儒教的な権威に変わったとき、摂関政治が意味を失うのも納得である。

  • 紫草

    私が中学とか高校で習った日本史では、藤原氏って悪者で、それはなぜかって言うと臣下のくせに大きな権力を持って天皇より偉そうにしてたっていうことで、子どもの私は単純に「藤原氏悪いやつだな」って思ってたけど、よく考えたら天皇親政が正しいとは限らないわけで。摂政とか関白とかの形で天皇が有力者の後見を得ることが、天皇にとってもありがたいことだったし、1人の権力者が独裁してたわけではなくて、だいたい公卿たちの総意だったことがよくわかった。あとただ家柄がいいだけじゃなく て役人としてちゃんと優秀。

  • アメヲトコ

    2022年8月刊。かつて藤原氏によるいわゆる摂関政治は天皇親政と対比されて否定的に捉えられがちでしたが、本書では摂政・関白はむしろ皇統を安定化させるうえで必要とされたものであることが論じられます。また摂関も最初からきっちり制度化されていたわけではなく、各時代時代の課題への対症療法的に機能が加えられていくあたりは現代の解釈改憲ぽくて興味深いところ。藤原良房が就任した摂政と太政大臣は奈良時代以前の女帝と太上天皇の機能を継承したものという説にはなるほどと。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items