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不屈のひと 物語「女工哀史」

石田陽子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784000617024
ISBN 10 : 4000617028
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2025
Japan

Content Description

あきらめない。人間らしく生きるため。堀トシヲ十九歳。東京モスリン亀戸工場女工。百年前に誕生した細井和喜蔵渾身の名著『女工哀史』の裏には共作者ともいうべき人がいた。妻トシヲである。貧しさから身を起こし各地の紡績工場を経めぐり、関東大震災、西宮大空襲を潜り抜け、そして―。戦前から戦後を貫く類まれな半生を描く評伝小説。

【著者紹介】
石田陽子 : 1960年生まれ。文筆業、編集者。雑誌編集者を経て半藤一利氏に師事し、氏の語りおろしや対談などの構成を数多く担う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • kawa

    戦前、記録文学の名作としてベストセラーとなったと言う「女工哀史」を執筆の細井和喜蔵氏の内縁の妻・高井としをさんの評伝。劣悪な紡績工場の女工を経て、細井氏と知り合い渾身的に執筆を支える前半生。病気の夫との死別後の戦争中の苦闘や、戦後の闇屋やニコヨン労働のなかでの労働運動を描く後半生。逞しい生き方が見事な歴史ドラマ。戦前の組合活動家や朝鮮人などに対する警察・軍隊・企業家の不当な弾圧、知ってはいるけれど「ここまでやるか」との思いを改めて。戦後の平和憲法下でも基本的には戦前と変わらない体質にも暗澹とさせられる。

  • スイ

    トシヲの抗わねばという思いと、著者の伝えねばという思いが重なってびしびしと伝わった。 自らが女工として辛酸を舐め、「女工哀史」の作者を支え、しかしそのことは認められず、戦中も戦後も貧しい暮らしの中で労働者も人間であると訴え、戦い続けたトシヲの生涯。 物語として生き生きと描かれているけれど、土台はとてもしっかりとしていて、相当な取材をされたものだと思う。 関東大震災時や戦後の朝鮮の人々の苦難、共産主義・労働組合などの人々が受けたむごい仕打ちも知らなければならないこと。 間違いなく今読まれるべき作品。

  • okatake

    『女工哀史』の細井和喜蔵の内縁の妻として支え、その記述内容にも寄与した高井としをさんの『わたしの「女工哀史」』を底本とした伝記小説です。 女工としての生活から関東大震災被災、和喜蔵との死別、高井信太郎との結婚と家族を支えるための戦後の苦難。 彼女は、不屈の心持ちで世の中を生き遂げました。 戦前の生活も苦難を極めましたが、戦後の失対で彼女ならではのの生き様が浮き彫りになっているように思えました。 私には想像することでしかありませんが、彼女のような人が日本を支えてくれていたことを忘れてはなりません。

  • 本の小さな虫

    大正、昭和の戦前戦後を貧しい生活の中、労働運動をして駆け抜けた、ど根性。トシヲの人生の背景は近代史だが今まで知っていた当時の世相がこれほど荒んでいたとは思わなかった。時代の理不尽さにどれほど悔しい思いをしたことだろう。女工哀史という言葉は知っていたが、それ以上の物語であった。涙無しでは読めない。しかし、暗闇の中でも「希望」を信じて戦ったトシヲは凄いと思う。改めて今の平和で自由な時代に生きていられることを感謝しなくては、と思った。

  • kentake

    「女工哀史」の刊行に命を賭けた細井和喜蔵の妻として、底辺の生活の中で執筆を支え、自らも女工として苦労した高井としをの一生を物語にした大作。 労働者の権利が確立されていない時代に、関東大震災や西宮大空襲で生活の基盤を失いながら、不屈の精神で前向きに生き続ける主人公の姿には感動を覚える。働き方改革が当たり前の現代に生きる我々の生活は、先人の苦労の上に成り立っていることを実感させられた。 本の中でも紹介されているが、豊田紡織や星製薬の工場など、大正時代から職場環境の改善に取り組んでいた企業があったことには驚く。

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