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言魂

石牟礼道子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784894346321
ISBN 10 : 489434632X
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2008
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

免疫学の世界的権威として、生命の本質に迫る仕事の最前線にいた最中、脳梗塞に倒れ、障害を背負った多田富雄。水俣の地にとどまり、執筆を続ける石牟礼道子。ふたりが交わした、生命と魂をめぐる渾身の往復書簡。

【著者紹介】
石牟礼道子 : 1927年、熊本県天草郡に生まれる。作家。『苦海浄土―わが水俣病』は、文明の病としての水俣病を鎮魂の文学として描き出した作品として絶賛された。第一回大宅壮一賞を与えられたが受賞辞退。1973年マグサイサイ賞受賞。1986年西日本文化賞受賞。1993年『十六夜橋』で紫式部文学賞受賞。2001年度朝日賞受賞。『はにかみの国 石牟礼道子全詩集』で二〇〇二年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞

多田富雄 : 1934年、茨城県結城市生まれ。東京大学名誉教授。専攻・免疫学。元・国際免疫学会連合会長。1959年千葉大学医学部卒業。同大学医学部教授、東京大学医学部教授を歴任。71年、免疫応答を調整するサプレッサー(抑制)T細訪を発見、野口英世記念医学賞、エミール・フォン・ベーリング賞、朝日賞など多数受賞。84年文化功労者。能に造詣が深く、舞台で小鼓を自ら打ち、また『無明の井』『望恨歌』『一石仙人』などの新作能を手がけている。2001年5月2日、出張先の金沢で脳梗塞に倒れ、右半身麻痺と仮性球麻痺の後遺症で構音障害、嚥下障害となる。著書に『免疫の意味論』(大佛次郎賞)『独酌余滴』(日本エッセイストクラブ賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 井月 奎(いづき けい)

    今日、自らの命を満喫していると思えば明日は知れず、極楽地獄が共存している現世こそ恐ろしいところに思えます。そのなかでも水俣病という未曾有の地獄を正面から見つめた石牟礼道子と重度の脳梗塞、癌、そして国の政策によるリハビリの期限制限という苦しみを味わった多田富雄との往復書簡はなぜか未来への覚悟と意味付けに心を向けさせて、心のありようを問うてきます。そして多田はその慧眼で石牟礼の慈悲が苦しみを共有する姉性であると見抜きました。その性は彼女を苦しませますが『苦界浄土』という一筋の光をも我々に与えてくれたのです。

  • 寛生

    【図書館の本】多田富雄と石牟礼道子の往復書簡。水俣病や、自然災害、汚染、また自らの脳梗塞の後遺症へのリハビリ、癌などの苦闘の中、いかに政府の社会保障が弱いものいじめ、「死ね」とばかりのメッセージをもって迫ってきても、静かな抵抗の精神を持ち続けていく、痛々しいが威厳のある多田の姿が見えてくる。小泉政権が弱者を排除しようとしていくなが、それでも何とか生き延びていく姿が伝わってくる。言葉の魂を信じて、社会に伝えようとしていく姿ーその抵抗の姿に、人間が人間らしくあろうとする希求の魂がこの本から溢れ出てくる。

  • Gotoran

    水俣病を鎮魂の文学として描き出した『苦海浄土』の著者であり、パーキンソン病との闘いの中、執筆活動をしているという石牟礼道子氏。免疫学の泰斗であり、脳梗塞で倒れ右半身麻痺他の後遺症と闘いながら詩人・能作者として言葉の力で発信し続けたという多田富雄氏。本書は、お二方の往復書簡集。多田氏の闘病の苦しさ、新作能に対する思い、当時の小泉政策の一端のリハビリ制限への怒り等がユーモアも交えて綴られる。それに対して石牟礼氏が返信。まるで格調高い小説そのもの。魅了された。お二方の内容は、楽しいこと、愉快なことばかり↓

  • 昭和っ子

    石牟礼さんの手紙がまるで物語だった。「近代的なるものが来たために存在ぐるみ物狂おしくなっていったのはわが一族だけではありませんでした」近代的な物が連れて来た物の一つ、女郎屋に売られてきた15、6の、淫売とさげすまれていた娘達が、石牟礼さんの、気がふれて盲目になっていたという祖母に示したやさしさ。幼児の頃の街の情景にこだわる理由を「日本資本主義が化学工業に目覚めて行く過程でどのような人間達を道連れにしてひな形の街を作っていったのか、もともとのコスモスはどのような宗教感情と倫理世界だったのか」ぜひ触れてみたい

  • こばやしこばやし

    上橋菜穂子さんのエッセイでタイトルを知った本。恥ずかしながら『苦海浄土』はまだ読み終えていない。彼女が生まれ育った土地で見聞きした、宿命と共に生きた女性のエピソードが凄かった。石牟礼道子さんが紡ぐ言葉や能の舞台を見て沸き起こるあの感情は何なんだろう?虚しさなのか美しさなのか?何なのか?多田富雄さんの厚労省への憤りは、途中まで「共感出来ないなあ」と思っていたが、生きたいと言う意思を他者が否定すること自体許される訳では無いのだし、政府が制度として否定することは誤りだと思わないこと自体がマヒしていると思った。

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