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冬にそむく ガガガ文庫

石川博品

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784094531220
ISBN 10 : 409453122X
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
syo5 ,  

Customer Reviews

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • よっち

    冬が続き人々が絶望を深める世界。神奈川県出海町で育った高校生天城幸久と密かに付き合う同級生・真瀬美波との日々を描く青春小説。高校からこの町へ越してきて別荘に一人住む美波と、雪かきスコップを手に彼女の家へと通い、密かにデートを重ねる日々。希望が見えない中でも、お互いの存在が救いとなってゆく一方で、終わりの見えない冬やそれぞれの置かれた環境が、少しずつ影を落としてゆく二人の関係。想いだけではどうにもならなくて、それでも大切なものを失いたくない二人の決意があって、たどり着いたその結末には確かな希望がありました。

  • わたー

    ★★★★★著作の悉くを積んでいるので実はほぼ初読みの作家さんになるのだが、氏にしか書けない作品だったのではないだろうかと。終わらない「冬」によって日常が一変した世界を舞台にしたラブコメ。主人公たちの力を超越した、最早どうすることもできないという閉塞感に満ち満ちていて、物語全体の雰囲気は暗め。それらが、どこかコロナ禍の現代社会に通じるところもあって共感性とリアリティは非常に高かった。手放しに明るい未来を想像することが難しくて、でも、かけがえのないモノを大切に今を生きるしかない。

  • オセロ

    1年中雪が降る異常気象の所為で物価は急上昇し、リモート授業は当たり前となった変わり果てた世界で秘密の恋を育む天城幸久と真瀬美波。そんな2人の終わらない冬の青春物語。 終わらない冬の中で如何にして幸久と美波が出会いから日常が美しいからこそ、2人が向き合はなければいけない将来と家族の問題にも過酷さが際立っていました。地元で育った幸久高校進学を機に東京から単身引越してきた美波 の違いを絡めながら、悩みに悩み抜いて辿り着いた未来は2人の信頼関係が産んだと思えるなかなかいいものでした。

  • なみ

    ひと組のカップルが、雪かきをしたり、こたつで一緒にオンライン授業を受けたり、かまくらを作ったり、釣りをしたりする話。 恋愛小説としても楽しめますし、冬が終わらない世界が舞台なので、ただの日常が読者にとっては非日常になり、新鮮な感覚で読めました。 最初はつかみどころのなかった幸久のことを、読み進めるうちに知ることができて楽しかったです。 第5章がすごすぎました。その中でも特に、ラストシーンが綺麗で印象的です。 文章も洗練されていて、とても美しい1冊だと感じました。

  • 星野流人

    “冬”に包まれ、情景が一変してしまった世界に生きる高校生たちの物語。リモート授業やイベントごとが中止になる様は、コロナ禍を想起させます。幸久と美波のひょんなことから始まった付き合いは穏やかで居心地がよく、劇的な展開こそ少ないものの読みやすかったです。“冬”という理不尽に訪れた大きな異常の描き方がリアルに感じられました。特に大きなトラブルが生じるでもないのに、読んでいて不思議と心がささくれ立っていく。けれどそれも美波とのささやかなデートの中で、ゆっくりと癒やされていく。心に沁み入る良作でした

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