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朝のあかり 石垣りんエッセイ集 中公文庫

石垣りん

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122073180
ISBN 10 : 4122073189
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2023
Japan

Content Description

自分の住むところには自分で表札を出すにかぎる―。銀行の事務員として働き、生家の家計を支えながら続けた詩作。五十歳で手に入れた川辺の1DKとひとりの時間。「表札」「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」などの作品で知られる詩人の凛とした生き方が浮かび上がる、文庫オリジナルエッセイ集。

目次 : 1 はたらく(宿借り/ けちん坊 ほか)/ 2 ひとりで暮らす(呑川のほとり/ シジミ ほか)/ 3 詩を書く(立場のある詩/ 花よ、空を突け ほか)/ 4 齢を重ねる(終着駅/ 二月のおみくじ ほか)

【著者紹介】
石垣りん : 1920年東京生まれ。詩人。高等小学校時代から詩作を始め、少女雑誌に投稿する。小学校卒業後、十四歳で日本興業銀行に就職。二十五歳の時に敗戦を迎え、戦後は職場の組合活動にも参加しながら詩作に集中。38年同人誌「断層」を創刊し福田正夫に師事。59年第一詩集『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』刊行。69年第二詩集『表札など』でH氏賞、71年『石垣りん詩集』で田村俊子賞、79年『略歴』で地球賞を受賞。2004年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • trazom

    石垣りんさんのエッセイを、はたらく/一人で暮らす/詩を書く/齢を重ねるの4つの項目に分類した文庫オリジナルの編集。14歳から定年まで銀行の事務員として働き、生涯独身、働きながら詩を書き、50歳で購入した1DKのマンションを終の棲家とした詩人の人生を辿ることができる。代表作の「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」「表札」が引用されているのも粋な選定である。石垣さんの詩を読むと、戦争や労働や女性問題に対して闘う強い意思を感じるが、このエッセイ集では、そんな強さとともに、石垣さんの隣人に対する優しさに心打たれる。

  • あつひめ

    石垣りんさん初読み。私が生まれる前からのエッセイや詩がずらり。時代は違っても石垣さんの思いは現代女性に共感できることがたくさん含まれていると思う。家庭でのご苦労から職場での男尊女卑等の苦労。その感情を言葉で表現している。40年前私が初めて職場の仕事始めに参加した時も女性は着物、男性はスーツ。仕事は新年のあいさつだけで半ドンだったことを思い出す。でも、あの頃はそんな時代だった。石垣さんのエッセイにはそんな時代だったころのことがとても素直に正直にわかりやすく書かれている。今でも通用する辛口な感情もいいと思う。

  • ケイティ

    よかったなぁ…と何度でもしみじみ呟きたくなる一冊。この時代で女性で独身、一人暮らしで銀行勤めで詩人となると、かなりマイノリティ扱いされたであろう。今の朝ドラもですが、当の本人は常に頑なで強い思想や主張があるわけでなく、流されない視点や気づきがあり、その疑問を見過ごせないという結果的な選択に思える。時に持て余しながらも、誠実さと信念、好奇心そして何より自分であることを捨てない。日々の営みから詩や働くことについてなど、媚びない飄々とした素直な文章がとても心地よかった。

  • 紫陽花

    タイトルとカバーイラストとエッセイという点で購入。初、石垣さん。昔、教科書でお名前を知った。戦前・戦中・戦後を生きた人、家族を自分の稼ぎで長年養ってこられたらしい。芯が強い女性なんだなぁ。大正生まれの石垣さん、この時代のことが垣間見れて刺激になった。

  • 紫羊

    私が就職した頃はまだ、女性が働くのは結婚するまでの腰掛けなどという風潮が残っていた。お給料、昇進、定年等々、待遇にも随分と差があった。著者が就職したのは昭和9年で、その時彼女は14歳だった。戦争の苦労もあり、家族という重荷もあったからか、綴られた言葉の奥から著者の苦い思いが伝わってくる。

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