Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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• 澤水月

  読了日：2017/09/30

  切った四肢を食べさせろとひめゆり隊員に迫る傷病兵。轟では友軍による幼児虐殺… 証言で沖縄戦の「どこ」が特異で悲惨なのかよくわかる、日本軍と島民のあり方。現地見学する前に資料として読み実際に中を見ると暗黒、湿度、足場の悪さなども実感。現在はガイド説明必須で見られるので可能なら現地を訪れ生の声を聞くことお勧め。調べると本書の芯の研究聞き取りなどは宗教団体青年部の学生らがしており、その団体と関連する政党がいま与党とはどう考えたらいいのか。恐らく採用されなかった証言、体験もあるだろう…知ろうとし続けたい

• Nobuko Hashimoto

  読了日：2025/07/17

  沖縄本を読む月間。アブチラガマは沖縄戦のときに軍民が避難した規模の大きな洞窟。年月をかけて、ゼミの学生たちと現地を調査し、多くの人に聞き取りをして、当時どう使われていたか、そこで何があったのかをまとめた本。新書にするときにガマ内の見取り図を最新技術でアップデートしたそう。先月の短い沖縄訪問では本書の調査対象である2か所には行けなかったが、機会をつくって見学したい。

• kan

  読了日：2024/10/25

  沖縄戦の証言本はいくつか読んできたが、こちらは社会学者視点の研究という一貫した立場から、複数の証言を組み合わせ、学生との現地踏査を長きにわたり継続したご苦労の賜物。冷静な筆致と信頼のおける聞き取りとで、軍官民共生のガマの状況がよくわかる労作だ。アブチラガマには何度か入ったことがあるが、こちらを読んでから行けたらよかった。�V期に分けた壕内図はさまざま想像させ、胸が苦しくなるが、証言とひとつずつ付き合わせながらしっかり読ませていただいた。沖縄修学旅行の事前学習資料として生徒に紹介しようと思う。

• 山口透析鉄

  読了日：2025/08/08

  市の図書館本で読みました。他にも借りています。 沖縄県戦では住民の1/4が亡くなっていますが、その中には日本軍にスパイ容疑をかけられて処刑されたりも多いです。 いわゆるガマの中での惨状は筆舌に尽くし難いものですが、豊富な資料からの引用や見取り図がたくさん用意されています。 著者及びそのゼミナールの学生等が何年もかけて精密な調査をしているので、非常に説得力がありました。 軍民間共生共死というスローガンがどうしようもないです。 付録の記事等も良いです。労作でした。西田昌司等も読むべきでしょう。

• 二人娘の父

  読了日：2021/04/18

  映画「生きろ〜島田叡　戦中最後の沖縄県知事」にも証言者として登場する著者。アブチラガマと轟の壕という、2つのガマを研究した内容で、新書とはいえ読み応えのある著書。ガマの内部の立体地図などに、その成果があらわれている。見学の際には必ず読んでから行きたいものの一冊だろう。轟の壕から住民が脱出した際のエピソードが典型だが、沖縄県民のなかに「軍隊は住民を守らない」という教訓を残したことが、よく分かるものになっている。戦争は国民のためでなく、国家によって行われる。そのことを教えてくれる研究である。

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