空也上人の研究 その行業と思想

本書は、あえて仮説論的推論に踏み込みつつ、空也上人の七十年の行業と思想の探求を試みた。これは、鎌倉新仏教において浄土教が飛躍的展開を遂げる時代に二百数十年先駆けた、平安時代中前期におけるわが国浄土教の民間的往生業としての発生を追跡する作業であると同時に、市巷に大乗菩薩行を実践した一人の真摯な仏教者の実像を探る試行でもある。

目次 : 第１部　日本浄土教の萌芽と空也研究の現状（浄土の思想とインドにおける浄土教の成立/ 中国における浄土教の展開/ 日本浄土教の萌芽　ほか）/ 第２部　空也上人の生涯（空也の名について/ 『空也上人誄』の校訂/ 空也の出自について　ほか）/ 第３部　空也の仏教思想（発心求道/ 空也仏教の性格とその念仏の系譜/ 空也の遺したもの　ほか）

【著者紹介】
石井義長 : １９３２年東京都生まれ。１９５６年東京大学法学部卒業、ＮＨＫ入局（教養部ＰＤ・放送総局計画担当部長・経営企画室主管・ニューメディア推進本部事務局長等）。１９８９年ＮＨＫ定年退職後、東方学院・駒沢短期大学等に学ぶ。２０００年東洋大学大学院博士後期課程修了、『空也上人の研究』により博士（文学）学位取得。現在、東洋大学非常勤講師、仏教文化研究所研究員（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）