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失われた庭

矢川澄子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784791752911
ISBN 10 : 4791752910
Format
Books
Publisher
Release Date
February/1994
Japan

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Book Meter Reviews

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  • kaoriction@感想は気まぐれに

    LOST GARDEN というより、紛れもないLOVE LETTER だ。E.G(即ち矢川澄子)から『LOST GARDEN 』の受け取り手(即ち澁澤龍彦)への、愛の吐露。それ以外のものにほかならない。結局、E.Gは死ぬほど子どもを欲していたのだ。彼との子を、傷つきながらも、本当は、どうにもならないほどに欲していた。それなのに。そして、生涯、愛したのはほかでもない彼だけだった。そんな愛が全編に散りばめられていて痛い。辛い。次第に支離滅裂になってゆくほど。彼女は彼女を失ってゆく。LOST でLOVEの物語。

  • あ げ こ

    自らの性を模索し続けた少女期の終わり。彼女の得た幸せは、盲目的な愛情をもって、惹かれた男のすべてを受け入れ、その言に従うこと。彼女は自身の苦しみを何一つ表には出さず、ただ只管に従い、それが自らの幸せであると信じる生活を、懸命に守り続けた。他の女と寝たことを誇る残酷な言葉も、自身だけが血を流す中絶も。作者の逡巡を跳ね除け、物語の主導権を握った主人公は、今はもう失われてしまった愛の、そのすべてを語り始める。誘われた性の悦びと、自ら定めた義務への思いより生まれる葛藤。愚かしくて痛ましくて、だが堪らなく愛おしい。

  • ちづ

    最初はそれでもいいと思っていたのでしょう。でも、どうなのだろう。何度も中絶を繰り返し、身体のみならず心だって傷つかない筈はない。いくら愛する相手がそう望んだからって。別れてだいぶたっても彼女はまだ葛藤を続けている。あの日々の意味づけをしたりこれからの道を探ったりしながら。それでも彼を愛している。そしてどことなく死の気配がする。知的で品がありしなやかな文体がなんだかいっそう彼女を痛々しい存在にしている。

  • amanon

    正直読んでて辛くなる一冊。恐らくかつて作者と澁澤との生活がかなりリアルに反映されていると思われる数々のエピソード…とりわけ幾度かにわたる堕胎のそれは、それを強要した男に同じ男性として、言いようのない嫌悪感と怒りを覚えてしまうが、その一方それを受け入れた女性の在り方にも疑問とある種の苛立ちを覚えてしまうのも確か。また、若干度肝を抜かれたのが、終盤で主人公と作者が会話を交わす下り。しかも、主人公は作者の分身でもあるわけで、この設定にはちょっと眩暈に近い感覚を覚えた。作者にとっての幸福とは何だったのだろうか?

  • Mrs.Holmes

    過去の回想による自分との対話。創作をめぐる自分の心と身体の有り様が淡々とつづられてゆきます。縊死してしまった矢川澄子自身の叫びともとれ、痛いです。

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