ウィリアム・フォークナーの日本訪問 冷戦と文学のポリティクス

文化冷戦の最前線＝日本へのノーベル賞作家フォークナー訪問。その背景と実態、影響を探る。敗戦後１０年となる１９５５年、ノーベル賞作家Ｗ・フォークナーが来日し、作家・文化人や英米文学研究者、一般市民と交流した。戦後日本の文化史において重要な位置を占めるこのイベントは、冷戦期アメリカの文化外交の一環に他ならなかった。文化と政治が交錯する焦点となったフォークナー訪日、その意味と影響を改めて検討する。

目次 : 第１部　フォークナー訪日の実際（日本におけるフォークナーの足跡と『長野でのフォークナー』/ フォークナー訪日と高見順―届かなかった手紙/ 映画になったフォークナー―『日本の印象』とＵＳＩＳ/ その広大な紙面にて―ウィリアム・フォークナーと文化冷戦の言語アリーナ）/ 第２部　フォークナー訪日と同時代の日本文化（太平洋戦争の記憶、『ゴジラ』、そしてフォークナー訪日の意義/ フォークナー来日と日本におけるアメリカ文学の制度化）/ 第３部　訪日とフォークナー文学（冷戦戦士のもう一つの顔―『寓話』と『館』にみる南部的想像力/ 教育の可能性―長野セミナーと『町』）

【著者紹介】
相田洋明 : 大阪公立大学大学院現代システム科学研究科教授

梅垣昌子 : 名古屋外国語大学外国語学部教授

山本裕子 : 千葉大学大学院人文科学研究院准教授

山根亮一 : 東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授

森有礼 : 中京大学国際学部教授

越智博美 : 専修大学国際コミュニケーション学部教授

松原陽子 : 武庫川女子大学文学部准教授

金澤哲 : 京都女子大学文学部教授（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）