Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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• しゅら

  読了日：2019/11/29

  SF？近未来的でちょっと不思議なことが起こる。まず表紙がキングコング西野さんで、この絵だけで読みたいと思えるステキな絵。各話少しずつ繋がる連作短編。いじけた感情が覗きあまりいい気分ではないが、その感情は共感。そしてこれじゃダメだと思い、ちょっとの勇気で状況を変える。それがドラマっぽくなく日常的で、リアルでいい。「ぼくにとって、一番大切な友達が哲ちゃんだということもわかった。（中略）ぼくは哲ちゃんと一緒にいて、いじめに負けない方法を考えないといけない。その後でいつか、みんなと仲良くなれる日が来ればいい。」

• シナモン

  読了日：2020/02/29

  図書館本。時間を操れたり、瞬間移動できたり、ちょっと不思議な力を軸にした7つの短編集。続編にあたる「タイムマシンでは行けない明日」の伏線があちこちに。続編読みながらこっちも読み直すという感じになりました。急いで返却しないで良かったー。両方読んで切ないパラレルワールドを堪能しました。ぜひ、併せて読んでいただきたいです。

• しんたろー

  読了日：2018/01/13

  畑野さん初読み。科学がチョッと進化している日本を舞台にした７つの不思議な物語。登場人物が少しずつリンクしていて、一編が30ページ程なのでサラッと読めた。どの話も細やかな日常に起きるＳＦ的な現象なので設定をスッと受け入れられるし、主人公たちも何処にでもいる若者なので親近感を持てた。不思議なことが起きてもホノボノした文章なので藤子不二雄マンガのような印象で、恋愛や友情をテーマにしているのも読み易い理由だろう。会話の上手さや各話の繋がり方に伊坂幸太郎さんの匂いさえ感じたが、それは私だけかも知れない(笑)。

• さてさて

  読了日：2022/05/28

  『ここは現在ではない。過去だ。十年前の十一月一日だ』と主人公がまさかの『タイムスリップ』をする様が描かれる〈過去ミライ〉など七つの物語は、あの”ドラえもん”を想起もさせます。『タイムマシン』、『瞬間移動』、そして『時間を操る』といった言葉が当たり前のように登場するこの作品。あっさりと展開する物語の中に、にっこり、ほっこりする瞬間を楽しめるこの作品。それでいて、『いじめ』を独特な捉え方で描くなど、単に軽い読み物では終わらせないこの作品。この一冊で畑野智美さんの名前が私の中に深く刻まれた素晴らしい作品でした。

• nobby

  読了日：2018/02/05

  畑野作品初読み。軽くて優しい30頁ほどの短編7つとも、心にしみる余韻を楽しめる。タイムマシンや恋人ロボット、超能力やテレポート、相手の想いが色に表れる石や惚れ薬など、あり得なさそうだが手が届きそうな“少し不思議”を、我々の日常に見事に重ねて読めるのが心地よい。それぞれ散りばめられた喜怒哀楽と、結果生じる旨味と代償が程よく厳し過ぎず温かい。短い展開故に、結末を詳しく語らないまま閉じるのが何とも効果的。読み進めて気付く人物リンクも、どこかで見た位のニヤリで大丈夫（笑）本を開く度に少しずつ勇気もらえるのがいい。

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