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教養としての10年代アニメ ポプラ新書

町口哲生

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784591153383
ISBN 10 : 459115338X
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

受講条件は週20本の深夜アニメ視聴!?
あまりの本気(ガチ)さにネットを中心に話題となった近畿大学の講義が遂に書籍化!!

●本書の内容
教養という概念は「人格は形成されるもの」という考えと結びついている。
人格を形成する役割はかつて哲学や純文学が担ってきたが、ゼロ年代(2000〜09年)になると、若者に対するポップカルチャーの影響は無視できないものとなった。
本書では、「10年代アニメ」(2010年代に放映されたアニメ)を、教養として分析することで現代社会や若者についての理解を深めていく。

●本書の構成
<はじめに>
インフォテインメントとしてのアニメ/ジャンル批評とは/ホーリズムとしての一〇年代アニメ 等

<第1部 自己と他者>
第1章『魔法少女まどか☆マギカ』他者との自己同一化 
ゼロ年代アニメの総決算/新房昭之の過去三作との関係/『ファウスト』からの引用と変更点/可能世界/イヌカレー空間1/絶望少女もの 等

第2章『中二病でも恋がしたい!』自意識と他者の存在 
『氷菓』における掟破り/『響け!ユーフォニアム』の新基軸/『中二病でも恋がしたい!』はラブコメか/ゴシック精神と中二病 等

第3章『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』スクールカーストとぼっち 
残念系/空気を読む/性善説と性悪説/意識高い系/ライトノベルが描くリアリズム 等

<第2部 ゲームの世界>
第4章『ノーゲーム・ノーライフ』ゲーム理論と社会適応 
ファンタジーの世界/『ノゲノラ』に登場するゲーム/『ノゲノラ』とゲーム理論/コミュニケーション障と引きこもり 等

第5章『ソードアート・オンライン』オンラインゲームと一人称視点 
MMORPG/浮遊城と世界樹/ナーヴギアの実現可能性/一人称視点/メタ・オリエンタリズム 等

<第3部 未来社会の行方>
第6章『とある科学の超電磁砲』クローン技術とスマートシティ 
キャラクターとしての美琴の魅力/超能力を考える1/ヒトクローン個体/学園都市/スマートシティ/超監視社会 等

第7章『COPPELION』生き残りとリスク社会 
遺伝子操作/コラテラル・ダメージ/リスク社会/ハードサヴァイヴ系/太陽の塔が意味するもの 等

<おわりに> 
世間内存在としてのオタク/メタ視点を欠いた再帰性/ステップアップするオタク 等

【著者紹介】
町口哲生 : 文芸評論家。専門は哲学・現代思想。近畿大学では映像・芸術基礎、映像・芸術論、現代の社会論を教えている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • きいち

    取り上げられている作品でちゃんと見てたのは『まどマギ』のみ、あとは全てタイトルしか知らない作品ばかりだったので、これはもう教養として押さえようと手を出した。ネタバレ防止でストーリーは紹介されないので、設定の情報性や、分析のベースとなっている「再帰性」などをよりどころに知らない作品を読んでいくのはなかなかにアクロバティックだったが、それでも「COPPELION」は見なきゃと感じた。◇教養は、それを持つことで作品の享受が何倍にもなるもの。特定の作品ではなく、群としての作品たちが教養を作るのが今なのではと思う。

  • 活字スキー

    『まどマギ』『SAO』『俺ガイル』等の2010年代アニメを、大学での講義の題材として語るのだが……う〜ん微妙。用語の使い方も含めてそれこそ意識高い系やこじらせ中二病のオタクが得々と語りそうな話が多かった。日々膨大な数が生産消費されるオタクコンテンツの中には多様な解釈のしがいのある濃いものもあるだろうが、今やろくに深夜アニメもチェックしないぬるオタに成り下がった自分からすると、自分なりに何かを語る際、イイ歳してアニメやゲームしか出てこないというのはいかがなものか。

  • 袖崎いたる

    内容としてはかなり薄い。ネタバレや印象語りなどを慎んだ結果、取り上げるアニメ作品ひとつひとつへの言及が集中力のない散漫なものとなっている。しかし新書なのでそれもまたよし?著者はどうやらラノベ的なリアリズムの系譜に「ネットワーク的リアリズム」とやらを付け加えようと画策しているらしい。気をつけておくべきは、本書が掲げるところのアニメも教養であるという意想に大いに感銘を受けるにしても、教養としてアニメ(及びポップカルチャー全般)を立ち上げるための屋台骨には従来の教養主義が奨励するお勉強を抜きにはできない点。

  • 光心

    教養を持ってアニメを分解し、それを複数作品と組み合わせることで教養の重要さを示すという目論見自体は上手くいっていると思う。が、如何せんこちらの教養のなさが露呈する可能性が高いこと、また著者自身の教養が正しいと主張することが難しいこと、がハードルとなっている。実際、面白くはあるが、疑問を挟む余地のある部分も多く、また原作がある作品に関してはアニメだけ見ている印象があり、少し外している部分があると思えるのはちょっと残念。ま、10年代のアニメを方向づけたのはまどマギだというのは大いに納得。

  • 梟をめぐる読書

    『中二病でも恋がしたい!』や『ソードアート・オンライン』など10年代に話題となったアニメを最新の学問(社会学とか経済学とか)と結び付け、読者を「教養」の世界へと誘う。冒頭に記された著者の気概とは裏腹に、あまりにもオーソドックスな形式のサブカルチャー講義録に収まっていることに逆に驚く。とはいえ著者のアニメ作品やスタッフに対する尊敬は信頼できるものであり、その姿勢は@極力ネタバレをしないAスタッフの前歴を参照するB「異世界転生」など流行のワードを分析する際にも安易な社会反映論に走らない、など随所に表れている。

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