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ISBN 10 : 4862851010
Content Description
本書はプラトンの『ソクラテスの弁明』をソクラテス自身の弁明と見なし、プラトンはソクラテスの言葉を可能なかぎり忠実に書き記したという観点から、全体の内在的読解を通して、生と知がそこにともにある生の根源層に降り立ち、そこから不知の知とか、魂の気遣い、神の存在の介入、自他の吟味(生の吟味)といった、さまざまな事柄の有機的な結びつきを統一的に明らかにする。「不知の知」と「魂の気遣い」を軸に、個人の行動と正義、法と国家、そして『クリトン』や『パイドン』との関連など多岐にわたる問題に応えた画期的な作品である。
目次 : 序章 ソクラテスの哲学(プラトンの『ソクラテスの弁明』の成立事情/ 『ソクラテスの弁明』の特異性 ほか)/ 第1章 不知の知(古くからの告訴者に対する弁明/ 自然哲学と人間教育 ほか)/ 第2章 魂の気遣い―「部処」に生きる人間の生について、ソクラテスの哲学的生について、人間として気遣うべきことの勧告について(J・バーネットの構成理解/ ソクラテスの哲学的生と死、不知の知と死の問題 ほか)/ 第3章 言葉の真実を知り、生を吟味する哲学者、およびメレトス論駁(『弁明』の冒頭部「前置き」について/ 生の吟味としての哲学)/ 第4章 ソクラテスとプラトンの間柄―姉妹篇としての『ソクラテスの弁明』と『クリトン』、とくに『クリトン』第二部の問題(魂・徳の気遣いと正義の行動、イディオーテウエイン/ 『クリトン』第二部の問題、国家公共体と国法によるソクラテスの説得)
【著者紹介】
甲斐博見 : 1948年大分県に生まれる。1970年大分大学教育学部卒業。1975年九州大学大学院文学研究科博士課程修了。同年九州大学文学部助手。1977年福岡大学人文学部専任講師、1981年助教授。1986年東京都立大学人文学部助教授、1995年同教授を経て、首都大学東京大学院人文科学研究科教授。西洋哲学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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