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石ころ路 灯光舎 本のともしび

田畑修一郎

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784909992512
ISBN 10 : 4909992510
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

暗く切ない人間模様のなかにどこか親しみを感じる「あの路この路」、虚無感をいだく主人公とその友人の死を扱った「木椅子の上で」の2編と田畑文学の柱のひとつといえる「石ころ路」を収録。自身の病と私生活の苦悩から逃れるように三宅島へ赴いたひとりの男が主人公の「石ころ路」は、現地の風景や住民との交流をきっかけに、陰鬱としたなかに一筋の光を見つけるように少しずつ自身を取り戻していく姿が描かれます。

【著者紹介】
田畑修一郎 : 1903‐1943。島根県出身。本名は田畑修蔵。大正15年に早稲田大学文学部に入学し、火野葦平や寺崎浩らと同人誌『街』を創刊。昭和13年に砂子屋書房より発刊した『鳥羽家の子供』は芥川賞候補になる。モダニズムやプロレタリア文学などにみる文壇の流れや時代思潮に動ずることなく、主に日常生活の光景と自己を静かに見つめた私小説的作品を創作。三宅島を題材にした『岩礁』、郷里島根県を描いた『出雲・石見』、長編小説『医師高間房一氏』など多くの作品を残した。昭和18年の夏、民話蒐集に出向いた岩手盛岡の地で急逝する。享年40歳。田畑の葬儀は、火野葦平が葬儀委員長を務め、伊藤整、尾崎一雄、小田嶽夫など多くの作家が彼の死を悼んだ

山本善行 : 1956‐。大阪府生まれ。関西大学文学部卒。書物エッセイスト。2009年、京都銀閣寺近くに「古書善行堂」オープン(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • アキ

    「灯火舎・本のともしび」第ニ弾。「どんぐり」に引き続き、読了。灯火の中抜きのマーク、題字のバックの青い色が煌めくしっかりとした装幀は野田和浩。京都の古書店主・山本善行編の田畑修一郎の三小篇。「木椅子の上で」「石ころ路」「あの路この路」昭和十一年から十五年にかけての小説。どの短編も土地とそこで生活する人々の懸命さと儚さを感じさせる。若くして死んだ三崎や、三宅島の雄山から海への断崖からの落下の空想、義母の死と娘夫婦の破綻というそれぞれの内容に、著者が40歳にして亡くなったという人生が重なって見えてしまう。

  • 望月衣塑子そっくりおじさん・寺

    この灯光舎・本のともしびシリーズは装丁が素晴らしい。まだシリーズ2冊目だが、どれもきちんと読み切れる薄さと、薄いのにしっかりとした装丁&造本で美しい。読まれる事に重きを置けば、薄いというのは良い事だと思う。読書に苦手意識がある人にも親切である。この作者は知らなかったが、本書の短編はどれも面白く、さすが撰者の山本善行は古本屋さんだけの事はあるな!と感嘆していたが、青空文庫に何作も出ていた(笑)。表題作も青空文庫で読める。私の目が節穴なだけであった。しかしこの人の、島を舞台にした短編は良い。是非読んでみて!。

  • だいふく

    全く知らない作家さんだったけれど、本のともしびシリーズ第二弾ということで購入。一作目に続き、装幀が美しい。青の部分にホログラム箔が使われているので、光の加減できらめく。 『木椅子の上で』『石ころ路』『あの路この路』の三作が収録されている。どれも読んでいるとやるせない気持ちになるけれど、最後は少し救われた感じがした。『石ころ路』の「指の先きのしびれるような感じが残っていた」の余韻が心に残る。

  • michel

    「木椅子の上で」「石ころ路」「あの路この路」の三作収録。また素敵な作家さんと出会えた。宇野浩二に師事し、木山捷平、尾崎一雄らとの交わりがあった、という田端修一郎。病いや生活苦に虚無感が暗く漂う。が、風景の一つ一つがとにかく丁寧に描写され、人物の一人一人の描写もまた情趣に富む。それらが相まって、陰鬱さの中に親しみが味わえる。編者は京都の古書店の店主山本善行。(上林暁「星を撒いた街」の編者でもある)

  • ぽねごん

    なんとなく名前は聞いたことはあったが、初めて読んだ。全体的に地味で素朴な印象だが、着実に描写を積み重ねてその場の空気や臭いといった所を明確に表現している。面白さという点ではやや物足りなさを感じたが、三作ではこの作家の特徴をいまいち掴みきれなかったので、機会があれば他も読みたい。本そのものはシンプルだが、可愛らしい佇まい。

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