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数奇伝 講談社文芸文庫

田岡嶺雲

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065214527
ISBN 10 : 4065214521
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

著作のほとんどが発禁となったことで知られる叛骨の思想家。思わぬ病を得て歩行の自由を失い、余命の長からぬことを悟った彼が「生きながらの屍の上に自ら撰せる一種の墓誌」とすべく語る生い立ちは、まさに「数奇」というほかはない。幼少期に目にした土佐の民権運動、大阪や東京での勉学の日々、作州津山での灼熱の恋と別れ、ジャーナリズムの夜明けから大陸への渡航へ、従軍、筆禍での下獄…。近代日本人の自叙伝中の白眉。

目次 : すなわち凡人伝なり/ 記憶に遺れる幼時/ 臆病なりし少時/ 無言無形の伴侶/ 自由民権論の感化/ 郷関を出づ/ 病蓐の五年/ 水産伝習生/ 初恋/ 平凡な学校生活/ 銷魂記/ 自業自得の落魄/ 滬上の一年/ 従軍/ 始めて家あり/ 獄に下る/ 生のひこばえ/ 死の滅び/ 戦争と新聞/ 天鼓乱打/ 姑蘇の二年/ 病の衰え/ 足のなえ/ 痾を養う/ 終に病む

【著者紹介】
田岡嶺雲 : 1870・11・21〜1912・9・7。明治時代の評論家、漢学者、ジャーナリスト。本名佐代治、別に栩々生と号す。土佐国(高知県)生まれ。若くして自由民権運動の影響を受け、文学に親しむ。水産伝習所を経て、帝国大学文科大学漢学科選科卒業。投書雑誌『青年文』を主宰し、樋口一葉や泉鏡花を早くから評価。教員を経て『萬朝報』『中国民報』などの記者や主筆をつとめ、幸徳秋水らとまじわる。北清事変に記者として従軍、反戦的記事に健筆をふるう。また、雑誌『天鼓』などで反資本主義、女性解放をとなえた。社会主義的評論の先駆者であり、著作のほとんどが発禁となったことで知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • hasegawa noboru

    わずか四十歳、足なえ<起つ能わざる>病躯の身には<すでに長きに過>ぎる生涯であると嘆じ、「数奇伝」と題して、そうあるのも自業自得と自嘲する。忘れられた明治の作家の自叙伝、文庫本復刊。若き日の田舎芸妓との恋愛の破綻の顛末、三十代、協議離婚に終わった七年間の愛なき妻との生活を回想し<いたずらに過去の悔恨に耽るを、自ら憐れむのみ>。<強者に対する反抗、弱者に対する同情、これが予の思想の基石である>がしかし<美を歌い芸に遊ぶことが、襤褸を纏う者になんの慰めをか与えよう>と生涯かかわった文筆の業の世に無力を嘆く。

  • 刳森伸一

    明治を生きた思想家兼文芸評論家である田岡嶺雲の自伝。今はほとんど忘れられた人の自伝だが、これがなかなか面白い。社会主義的な思想を持ち、格差や差別のない世界を夢見た田岡の破天荒で不遇な人生と、自己憐憫と自己弁明を隠そうともしない語りはまるで一篇の小説のよう。言論統制化で書かれたものであるため、韜晦で婉曲的なところも多いが、鋭い批判的精神が宿っていると思う。

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