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知能とはなにか ヒトとaiのあいだ 講談社現代新書

田口善弘

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065384671
ISBN 10 : 4065384672
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

チャットGPTに代表される生成AIは、機能を限定されることなく、幅広い学習ができる汎用性を持っている、そのため、将来、AIが何を学ぶかを人間が制御できなくなってしまう危険は否定できない。しかし、だからといって、AIが自我や意識を獲得し、自発的に行動して、人類を排除したり、抹殺したりするようになるだろうか。この命題については、著者はそのような恐れはないと主張する。少なくとも、現在の生成AIの延長線上には、人類に匹敵する知能と自我を持つ人工知能が誕生することはない、というのだ。

その理由は、知能という言葉で一括りされているが、人工知能と私たち人類の持つ知能とは似て非なるものであるからだ。

実は、私たちは「そもそも知能とはなにか」ということですら満足に答えることができずにいる。そこで、本書では、曖昧模糊とした「知能」を再定義し、人工知能と私たち人類が持つ「脳」という臓器が生み出す「ヒトの知能」との共通点と相違点を整理したうえで、自律的なAIが自己フィードバックによる改良を繰り返すことによって、人間を上回る知能が誕生するという「シンギュラリティ」(技術的特異点)に達するという仮説の妥当性を論じていく。

生成AIをめぐる混沌とした状況を物理学者が鮮やかに読み解く

本書の内容
はじめに
第0章 生成AI狂騒曲
第1章 過去の知能研究
第2章 深層学習から生成AIへ
第3章 脳の機能としての「知能」
第4章 ニューロンの集合体としての脳
第5章 世界のシミュレーターとしての生成A
第6章 なぜ人間の脳は少ないサンプルで学習できるのか?
第7章 古典力学はまがい物?
第8章 知能研究の今後


【著者紹介】
田口善弘 : 1961年、東京都生まれ。中央大学理工学部教授。1995年に刊行した『砂時計の七不思議―粉粒体の動力学』(中公新書)で第一二回(1996年)講談社科学出版賞受賞。その後、機械学習などを応用したバイオインフォマティクスの研究を行う。スタンフォード大学とエルゼビア社による「世界で最も影響力のある研究者トップ2%」に2021年から2024年まで四年連続で選ばれた(分野はバイオインフォマティクス)。最近はテンソル分解の研究に嵌まっており、その成果を2024年9月にシュプリンガー社から英語の専門書(単著)として出版した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ねこ

    知能とはなにか?…知能intelligenceは高等な抽象的思考能力、学習能力、新しい環境への適応能力と関係する高次認知機能の総称といわれているが明確な定義は現在ない…。そこで人の「知能」を再定義する。脳というハードから切り離した人間の知能はそもそも存在せず、パソコンのようにソフトとハードの分離は不可能。そして脳の機能とは?それは「現実世界のシュミレーター」だ!そして昨今、成長著しいAIは人とは別の「現実世界シュミレーター」を形成している。人の知能とAIは似て非なる物。更に脳を培養した「第三の知能」とは!

  • うえぽん

    物理学者が、ChatGPT等の生成AIの登場を機に、脳、知能や非線形物理学との関係を綴った本。生成AIは、本質的には物理学者が前世紀末に研究していた非線形非平衡多自由度系の一種だが、当時は大量の学習データと計算機の能力がなかったことと、少数の方程式で説明したい物理学者の傾向が仇となり、生み出せなかったという。脳とAIは異種の世界シミュレータと解しているが、より正しいシミュレータとしての人工超知能の開発可能性は否定せず、自我、自律性を持つ可能性には懐疑的。人間が高性能AIを悪用する方を危惧しているのは納得。

  • TG

    物理学者の立場からAIについて書いた本。 今のAIの原理は昔物理学者が取組んでいたものとの話に驚き、人の知能についてはわかっていないことが多く、今のAIは人の動きとは異なることなど、技術の裏側がわかって面白い本でした。

  • りょうみや

    ChatGPTをはじめとした生成系AIのしくみ、元となっているニューラルネット、深層学習の原理とその歴史、そして人間の知能とAIの知能の違いをわかりやすく解説してくれている。著者の専門は非線形非平衡多自由度系の物理シミュレーションの分野で、生成系AIと根本は同一であり、なぜ物理学者が今のAIを作ることができず、その輝かしい地位をAI研究者に奪われてしなったのかと正直に口惜しさを語っている。

  • とり

    物理学者から見た生成AI。よくまとまっていてわかりやすい。ただ、「AI研究者が勝ち得ている栄誉は非線形非平衡多自由度系を研究していた物理学者に与えられていたかもしれない」はさすがに言い過ぎ。確かに画像生成で広く使われている拡散モデルは物理学の応用技術だし、他にも物理の成果や知見のAIへの影響はある。しかし、Transformerのようなブレイクスルー、コーパス整備、大量のベンチマークの構築などがあっての現在の生成AIであり、その全てが物理学から出てくるとは到底思えない。

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