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ネットは社会を分断しない 角川新書

田中辰雄

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784040823034
ISBN 10 : 4040823036
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

多くの罵詈雑言が飛び交い、生産的な議論を行うことは不可能に見えるインターネット。しかし、10万人規模の実証調査で判明したのは、世間の印象とは全く異なる結果であった。過激な書き込みを行っているのは、いったい誰なのか?何がネット上の議論を息苦しくしているのか?計量分析で迫る、インターネットと現代社会の実態。

目次 : 第1章 ネットへの期待と幻滅―認識され始めた「分断」/ 第2章 分断のネット原因説―選択的接触とパーソナルメディア化/ 第3章 本当にネットが原因なのか?その1―分断が起きているのはネットを使わない中高年/ 第4章 本当にネットが原因なのか?その2―ネットメディア利用の影響/ 第5章 選択的接触の真実―賢明なネット世代/ 第6章 ネットで見える世論と真の世論―罵詈雑言を生む構造的問題/ あとがき―ネットの議論を良くするために

【著者紹介】
田中辰雄 : 1957年、東京生まれ。東京大学大学院経済学研究科単位取得退学。現在、慶應義塾大学経済学部教授。専門は計量経済学

浜屋敏 : 1963年、石川生まれ。富士通総研・経済研究所、研究主幹。1986年京都大学法学部卒業後、同年富士通(株)入社。現在、早稲田大学大学院商学研究科や立教大学理学部の非常勤講師も務める。専門は経営情報システム(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • よっち

    多くの罵詈雑言が飛び交い生産的な議論は不可能に思えるインターネット。過激な書き込みを行っているのは一体誰なのか?何がネット上の議論を息苦しくしているのか?計量分析で迫るインターネットと現代社会の実態。社会を良くすると期待されていたインターネットは分極化の原因なのか。選択的接触などによる影響の可能性は認めつつも、豊富な統計から必ずしも直接的な要因にはなっていないことに着目し、過激なのは中高年を中心とするごく一部で、若者やサイレントマジョリティは意外とバランスを取っていることを指摘した内容は興味深かったです。

  • hatayan

    SNSの普及により社会が分断されているとする俗説を検証。 ネットで左右両極端の主張が交わることなく荒れるのはごく少数の層が頻繁に書き込んでいるだけで、ネットが全体の世論を表すわけでは決してない。 異なる意見にアクセスするコストが紙や新聞に比べると劇的に低いネットの特性に若者は順応しており、左右を問わず情報を摂取。ものの見方をより柔軟で穏健なものとしている。 群衆の英知をもって世の中をよくしていこうとするネット草創期、Web2.0の頃の夢はまだ潰えていないことを力説する一冊です。

  • おさむ

    世間に広く流布している、ネットによる社会分断説を10万人規模のネット調査によって覆す意欲作。ネットで分断はおきていないが、「起きているように見える」というのが結論。つまり真の社会分布の一部分だけがネット上には見えているのだという。過度な書き込みをするヘビーライターの存在とその閲覧頻度、一方のサイレントマジョリティーの萎縮効果に起因する、という。なるほど言われてみると、この逆説は説得力がある。でも、じゃあネットを真の社会と同じように見えるようにするにはどうすれば良いのか?という問いが残り、やや消化不良気味。

  • レモン

    ネットで散見される極端な意見が分断を加速させているように見えるが、実際はそうではないということを調査し、証明されている。ネット利用により大半の人々は過激になるどころか、むしろ穏健化している。新聞やテレビの方がネットより偏った意見ばかりを収集しがちになる傾向があることには少し驚いた。声の大きい過激な少数派の意見には、極端に反応せずスルーに限る。

  • hk

    ■趣旨■ネットで分断ができたのではない。ネットで分断が発見されたのだ。 ■感想など■統計データを縦横に駆使して「ネットが社会の分断を増長させている」という俗説に挑んでいる。「ネット利用で社会分断が生まれるのならば、ネット利用頻度が多い若年層に分断が強くなるはずだ。だが分断が強いのは中高齢層である。このネジレは如何に?」「ネットは異論に触れる機会を増やすため、人々の政治的スタンスを穏健化させる。ネットリテラシーの高い若年層ほど分断が少ないのはその証左ではないか」といった新たな視座を得られた。有難しである。

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