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空吹く風 / 暗黒天使と小悪魔(仮)田中英光デカダン作品集 講談社文芸文庫

田中英光

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062903554
ISBN 10 : 4062903555
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

太宰治をして「この荒れ果てた竹薮の中にはかぐや姫がいる」と言わしめた「空吹く風」、戦後の混乱の中で春をひさぐ女たちに真実の愛を夢想する「暗黒天使と小悪魔」、運命の女との愛欲の果てに傷害事件に至る顛末を描いた「愛と憎しみの傷に」。共産党への幻滅など生きる意味への絶望ゆえか女に溺れ、薬と酒で破滅へと突き進んでいく自らの姿を見据え、人間の本性を浮き彫りにする小説集。

【著者紹介】
田中英光 : 1913・1・10〜1949・11・3。小説家。東京生まれ。早稲田大学時代にボート選手としてロサンゼルス・オリンピックに出場。帰国後間もなく、兄の影響で共産党の非合法活動に従事するも、党不信のため身を引く。大学を卒業して就職し、日本統治下にあった京城の朝鮮出張所に赴任、その他を舞台に書かれた「空吹く風」で太宰治の知遇を得る。約八年の駐在中に二度の召集を経験し、朝鮮文人協会の常任幹事となる。戦後は合法化された共産党に入党し地区委員長を務めるも、党を批判する作品群を発表して非難され、離党(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    (私は太宰治が苦手な人間です。太宰ファンの皆様、ごめんなさい)共産主義に理想を抱くも現実に打ち砕かれ、女と酒と薬に溺れ、それでもその心情や日常を記さずにはいられなかった男が紡いだ私小説的物語。どーしようもない男の狡さや卑屈さ、変われないし、変わろうともしない事への鬱屈をおどけてみせずに味気なく、書いている。でもそのおかげか、男性特有の、女性への思い上がった救済意識や懶惰な日常を過ごす自己を勝手に投影する侮蔑ですらも(個人的に)太宰治よりはマシだと思えてしまう。あの上海リルとも関係があったなんて。

  • ちぇけら

    痺れた脳で夜の街へ、つみを抱きにゆく。愛せないとかつまらないとかではないけれど。やめようやめまい、別れよう別れまい、ことばだけが無闇につらなる。こころは家族と女の間でゆれて、あちこちに傷を増やす。「あら、あたしのは、誰にでもぴったりといわれるわ」ぼくの天使…ぼくの天使!愛せば愛すほどくるしい。酒と薬にのびる手をとめるものは、どこにもないんだ。我をうしなう一瞬の愉しさを、くりかえす。ぼくを苦しめるのはなんだ?生活だ。恥だ。汚れだ。太宰に師事し、太宰の墓前で自殺した田中英光の濃い生活に、ぼくは涙をかくせない。

  • 愛敬 史

    田中英光のデビュー作から晩年の『桂子もの』と呼ばれる作品までの無頼派ものが収められている。終始、作品には暗黒天使(売春婦)とアドルム(催眠剤)が繰り返し出てくる。妻との不和、党活動からの脱落。孤独感から一人の女と出逢い、同棲するが女の虚言癖や金への執着から諍いとなり、妻子のもとへ戻るも冷たい妻の視線にすぐにまた女の下へと舞い戻る。いったいどうすれば田中英光は幸せになれたのだろう。アドルムに酔い、ついには刃傷沙汰を起こすにいたった英光はついに自らを毀すことで孤独の苦しみから解放するしかなかったのだった。

  • mayhaha160

    著者にとっての暗黒天使敬子(作中/桂子)その醜い容姿ゆえ哀れで愛しく彼女と酒とアドルム(睡眠薬)で破滅の道を辿った田中英光。40近くなってもこじらせまくり😓メンヘラは死ななきゃ治らない… 解説がまた哲学の先生とかで「やっと解説までたどり着いたか…」と思ったら更なる苦行が待っていた。次は軽めの本を読もう💧

  • yoyogi kazuo

    野狐からの敬子もの三編のインパクトが強烈過ぎて胸焼けがする。昭和二十四年即ち彼が自裁した年の怒涛の執筆ぶりはちょっと空いた口が塞がらない。親愛感を感じている批評家HK氏とは小林秀雄のことか?

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