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ISBN 10 : 4835448413
Content Description
GHQにより発禁処分を受けた、幻の実録サイパン戦記――!!
玉砕戦とはかくも無残なものなのか。バンザイ攻撃、米軍の残虐行為、自決、集団投身自殺、そして斎藤中将の最後――そのすべてを体験し目撃した士官、田中徳祐。
500日にも及ぶ戦闘の間、著者が片時も離さず携行していた作戦地図、隊の行動、敵の動き、戦友の死などを記したメモに基づいて執筆された、実録サイパン戦記。
●「はじめに」より一部抜粋
私は、昭和二十二年、帰国するとすぐ、この実戦記を書いた。散華した戦友とその遺族、民間人のためにも、残さなければならない、と思って夢中で書いた。「今日の日本」という雑誌にその一部を発表した。だが、当時のGHQの検閲をうけ、ズタズタに切りさかれて、ただの戦争報告にすぎなくなった。あげくの果て、「以後の発表まかりならぬ」というきつい命令までうけ、原稿は書斎に眠ったままとなった。
遺族の要望もあって、七年ほど前に発表の機会にめぐりあった。書庫から取り出して出版社に持ち込まれた。だが、「あまりにもショッキングすぎる」といわれて再び陽の目をみることができなかった。玉砕というあまりにもショッキングな事実を、いまさら、ということもあったろうし、本当の戦争の恐ろしさ、悲しさ、残虐さを知らなかったからかもしれない。しかし、私はただ事実を、体験を、こっそりと持ちかえった作戦図をもとに、書いたにすぎない。多少の記憶違いがあるかもしれない。また、いまの地名とは違った呼び方をしているところもある。しかし、作戦図に書き込まれた戦争は、否定のしようもない事実であった。
<目次>
はじめに
序章 満州からサイパンへ
第1章 スキを突かれた守備隊
第2章 敵上陸 熾烈なジャングル戦
第3章 机上戦術に散る命
第4章 タッポーチョ山陥落
第5章 総攻撃
第6章 残虐の数々の、この恨みいつか
第7章 援軍を夢みて
第8章 あゝ堂々のゲリラ戦
第9章 収容所潜入
第10章 さらばサイパン
<著者略歴>
田中徳祐(たなかのりすけ)
大正九年一月一日生まれ。大阪府天王寺師範学校二部卒業。昭和十六年、現役兵として満州九六〇部隊に入隊。十七年、豊橋予備士官学校卒業。同年、陸軍少尉任官。十九年、訓二五五一部隊(岡兵団)河村部隊甲副官としてサイパン島に転進。現役大尉に昇進。戦後五年間、公職追放。二十七年四月、教職に復帰。五十四年、大阪府和泉市立松尾小学校長を勇退。
※本書は1983年・立風書房刊『我ら降伏せず』を底本に復刊するものです。内容は当時と同じものです。
【著者紹介】
田中徳祐 : 大正9年1月1日生まれ。大阪府天王寺師範学校二部卒業。昭和16年、現役兵として満州九六〇部隊に入隊。17年、豊橋予備士官学校卒業。同年、陸軍少尉任官。19年、訓二五五一部隊(岡兵団)河村部隊甲副官としてサイパン島に転進。現役大尉に昇進。戦後五年間、公職追放。27年4月、教職に復帰。54年、大阪府和泉市立松尾小学校長を勇退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Yasuhisa Ogura
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