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新田一族の中世 「武家の棟梁」への道 中世史

田中大喜

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784642058087
ISBN 10 : 4642058087
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

上野国を本拠とした義国流清和源氏の新田氏。同族の足利氏とは家格が違いながら、『太平記』でなぜ「源家嫡流の名家」と描かれているのか。新田氏の足跡から実像に迫り、『太平記』に秘められた足利氏の思惑にも言及。

目次 : 『太平記』のなかの新田氏―プロローグ/ 新田氏の成立/ 雌伏の時代/ 地域権力としての姿/ 「武家の棟梁」新田氏の誕生/ 『太平記』の刻印―エピローグ

【著者紹介】
田中大喜 : 1972年、東京都に生まれる。1996年、学習院大学文学部史学科卒業。2005年、学習院大学大学院人文科学研究科博士後期課程修了、博士(史学)。駒場東邦中学校・高等学校教諭を経て、国立歴史民俗博物館・総合研究大学院大学准教授(併任)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • サケ太

    新田一族が悲しい。何故、新田義貞は、新田一族は「源氏嫡流の名家」と成ったのか。新田一族の始まりから、足利氏の配下となっていた頃から、鎌倉侵攻で、大功を挙げたことで足利尊氏の対抗馬として推されることに。その流れに理不尽さを感じてしまう。足利氏にとっては敵役として求められ、徳川氏や明治政府にその役割を確定されてしまった。そこに面白さを感じてしまうのは無神経か。

  • フランソワーズ

    足利氏の麾下にありながら「武家の棟梁」と名指しされ、尊氏に対抗した義貞。その勢威の拠り所であった後醍醐とのちに決別し、恒良親王を擁して北陸王朝を形成しようとした姿は南朝の”忠臣”という認識を覆すものである。その義貞死後も、新田氏の基本的姿勢は変わらず、度々挙兵を繰り返した。そして本宗家は滅亡したあと、新田氏の史実は『太平記』の中で物語として再生され続け、「新田氏」の像を後世の人々に植え付けた。

  • 叛逆のくりぃむ

     『武家の棟梁』としての新田氏の姿が政敵である足利氏によつて形作られたものであつたといふことは興味深い。實際の新田氏は初代義重以降、足利氏との提携を深め、その一門衆として行動しており、新田義貞による鎌倉攻めも足利尊氏による六波羅攻めと呼應したものであることが伺い知れる。

  • MUNEKAZ

    新田氏がいかにして足利氏と並ぶ存在となったか。鎌倉幕府では数々のやらかしにより足利氏よりも下位に位置付けられていた新田氏だが、建武政権では足利尊氏の離反・敵対により、その対抗馬として後醍醐天皇からも足利氏からも持ち上げられていくという流れは面白い。また南北朝期以後も徳川氏や維新政府によって「武家の棟梁」「南朝の忠臣」という神話が強化されていくのは、歴史と政治の関係について考えさせられる所であった。

  • ほうすう

    鎌倉幕府において足利氏がいかに上位の存在として持ち上げられていたのか。将軍候補を生み出しかねない家柄までになっていたことには驚いた。そして新田氏との格差。それにしても新田義貞は不運なイメージの強い武将であるが、本書によっても体よく足利氏の敵役を押し付けられた感があってやはり不運である。その後持ち上げられたのがむしろ幸運ですかね。

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