Books

言語学者が語る漢字文明論 講談社学術文庫

田中克彦

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062924450
ISBN 10 : 4062924455
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2017
Japan

Content Description

漢字は言葉ではない、記号である。漢字にオトは必要ない。どの言語でも漢字を「訓読み」できる。では周辺地域を含めた「漢字文化圏」とは自明のものなのか。歴史上の突厥・契丹・西夏・女真・モンゴル文字など漢字からの自立運動は何を意味するのか。漢字を残す日本語は独自の言語であることの危機に瀕しているのか。言語学者が読む文字と言語の関係。

目次 : 第1章 日本語という運命(日本語の状況/ 母語ペシミズム ほか)/ 第2章 「日本語人」論(日本人ではなく日本語人がたいせつ/ バイリングアル日本語人 ほか)/ 第3章 漢字についての文明論的考察(「漢字文化圏」論/ 日本は漢字文化圏の行きどまり ほか)/ 第4章 「脱亜入欧」から「脱漢入亜」へ(日本は中国と「同文同種」か/ 中国語は日本語よりも英語に近い ほか)

【著者紹介】
田中克彦 : 1934年兵庫県生まれ。東京外国語大学モンゴル語学科卒業、一橋大学大学院社会学研究科修了。一橋大学名誉教授。専門は社会言語学とモンゴル学。言語学をことばと国家と民族の関係から総合的に研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 樋口佳之

    数年前ある政治家が「アウフヘーベン」という言葉を使って、それは哲学用語の「止揚・揚棄」の事だけど、その時ドイツ大使館(だったかな)が、アウフヘーベン は「持ち上げる」という普通の会話によく使われる言葉ですよとつぶやいていて、その時かなりショックだったことを思い出しました。母語を日本語としない人々の労働に期待せざるを得ない状況、キーボード入力が大半の毎日で読めても書けないが当たり前になっている事を思い、改めて教育漢字、常用漢字を眺めましたが、筆者の主張は目指す方向としては正しいと感じました。

  • 松本直哉

    思えば教育勅語も玉音放送も漢語ばかりでほとんどの人は聞いても意味がわからない。意味を伝えるのではなく畏れで震えあがらせて支配するのが漢字。数千字覚えたことばのエリートだけにわかる字。はじめから意味が与えられた「行きどまりの字」で、思考能力を奪う。筆者の主張の軸にあるのは、ことばはエリートのものではなくみんなのもので、みんなにつかいやすくすべきだということ。褥瘡の読み書きができないだけで外国人が日本で働けない不合理。漢字に頼った結果耳で聞いてもわからない字を見なければわからない貧弱なことばになりはてた日本語

  • まると

    旧題「漢字が日本語をほろぼす」。なるほど、漢字は言葉としてはメリットよりもデメリットの方が圧倒的に多く、それを様々な読み方をして使いこなすことが教養なんだ、日本語の良さなのだと思い込んでいた自分が何と愚かであったことか。確かに話し言葉に表意文字なんて要らない。むしろ、文章力を衰えさせ、思考を停止させるだけだ。そう言われてぐうの音も出なかった。中国周辺諸国はおろか、本家本元の中国ですら脱・漢字を進めているというのに、日本だけがそれに固執してきたなんて。常識と思っていたことが心地よく覆される、痛快な本でした。

  • くまさん

    友人に紹介されて読み始めた。ちょっと,難しい感じがしたが,漢字の捉え方が今まで自分が考えたこともない「日本語を滅ぼす」という内容d去ったので,とても興味深く読めた。日本語をただ使っていればいいというスタンスではなく,複雑になっている漢字・日本語について考えてみたくなった。これから,日本語はどんな運命をたどるのだろうと思うと考えてしまった。

  • いたる

    本書の原題は『漢字が日本語をほろぼす』であり、言語学者が漢字の功罪を問うたものである。漢字は排他的で言語共同体を分断する元凶であるという主張は、退官された大御所らしく、まさに怖いものなしだ。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items