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あとを継ぐ人 光文社文庫

田中兆子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784334100780
ISBN 10 : 4334100783
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2023
Japan

Content Description

父の死をきっかけに下町の駄菓子工場を継いだ娘。障碍者を多く雇用する会社で人付き合いに悩む新入社員。祖父の酪農場を継ぐという息子を心配する父。老舗旅館の女将を継ぎたいトランスジェンダーの息子…。大切な事業を、思いを、生き様を伝えたい。しかし「継ぐ」にはトラブルもつきもの。それでも志を未来へ伝えようともがき前を向き人々を描く、感動の連作短編集。

【著者紹介】
田中兆子 : 1964年富山県生まれ。2011年「べしみ」で「女による女のためのR‐18文学賞」大賞を受賞。同作を収録した『甘いお菓子は食べません』でデビュー。’19年『徴産制』でSense of Gender賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • しんごろ

    “継ぐ”ものは人それぞれ。家業を継ぐ、技術を継ぐ、想いや意志を継ぐ。とにかくいろいろ。未来に伝えるために継ぐ人達は、継いでいくのに、様々な苦労や困難もあるかもしれない。まあ、継がない人もいるだろうけどね。そんな本作は、継ぐにあたって、今の時代では、そう一筋縄ではいかないぞという作者からのメッセージを発信した短編集だと思う。個人的には『若女将になりたい』が好き。『サラリーマンの父と母』は、道産子のファイターズファンには、たまらない短編。ただ、食べに行くのに、札幌ドームから琴似までは遠いわ!とツッコんでおく。

  • あすなろ@no book, no life.

    令和の時代の跡継ぎの話だなぁとどの短編を読んでも先ずは自称・昭和のサラリーマンは思ったのである。時が時なら、我々の世代は平成の跡継ぎだった。その我々が跡継ぎの事を考える時代となり、または中小企業やオーナー企業ならばその狭間にいる世代である。なんだかなぁ、と思い読了。あ、サラリーマンなんて書いている時点で僕は既に時代遅れなのかも。サラリーパーソンでしたっけ。一方で今の時代の跡継ぎや空気感を感じさせてくれる秀作短編集だとも思ったのである。

  • おくちゃん✨🎄✨柳緑花紅

    あとを継ぐ人。跡や後も含む「あと」後継ぎのいない理容店/お父さんの気持ちも息子の気持ちもわかるなぁ。店は継がないけれど洗髪の技術は継いでいたんだ。ジーンと胸に沁みる。そんなお話が6編穏やかな気持ちと優しいあたたかさを貰えた。わが社のマニュアル/なんて優しい。心のゆとりがすべての関係をあたたかくする。ラストのサラリーマンの父と娘/子に何かを残したい親だが、祖父から父へそして子へ継いでゆくのはその生き方背中。札幌ドーム野球観戦、中島卓也等出て来たときには私も一緒にそこに居たような気分大好きだよお父さん。

  • アルピニア

    初読みの作家さん。いろいろな「継ぐ」をモチーフにした短編6話。マイベストは、「女社長の結婚」。家業の「麩菓子」会社を継いだ万純。日々奮闘するも思うようにはいかず・・。結婚を勧める母親の真意に涙腺が緩む。どの話も最後は頑張れ〜!と応援したくなる。最終話「サラリーマンの父と娘」では、継ぐのは仕事だけではないことに気付かされ、じんわりと温かい気持ちで読了。

  • matsu04

    6篇の短篇集。「跡継ぎのいない理容店」の息子がいい人過ぎて泣けるし、「女社長の結婚」も心温まる。チョーク製造工場の「わが社のマニュアル」、酪農家の「親子三代」、老舗旅館の「若女将になりたい!」も何だかいい。「サラリーマンの父と娘」もホッコリする。いずれもちょっとホッコリさせられ過ぎのような気もする。

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