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張形と江戸女 ちくま文庫

田中優子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480430564
ISBN 10 : 4480430563
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2013
Japan

Content Description

張形は、江戸時代の春画に多く描かれる女性自身のための性具である。そこから江戸の性の変遷がみえる。春画では、女性が一人で使用する姿だけでなく、奥女中同士で愉しむ姿も描かれている。やがて、庶民へと普及し、男女の前戯に使用される例が現れる。絵に溢れるカラッとしたユーモア。文庫化にあたり、図版、カラー口絵4頁を追加。

【著者紹介】
田中優子 : 1952年神奈川県横浜市生まれ。1980年法政大学大学院博士課程(日本文学専攻)修了。法政大学社会学部教授(近世文学)。『江戸百夢』(朝日新聞社、ちくま文庫)で芸術選奨文部科学大臣賞、サントリー学芸賞受賞。2005年紫綬褒章受章。著書に、『江戸の想像力』(ちくま学芸文庫、芸術選奨文部大臣新人賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • かおりんご

    春画を読み解くひとつの視点として、手にした一冊。春画には、張形(ディルド)が扱われるが、絵画の世界ではとても珍しいこと。奥女中が張形を買いに行くところや、奥女中同士の絡みなど、たぶんに男性のファンタジーが入っているだろうけれど、江戸時代までの性に対する日本人の意識は、かなりオープンだったことが伺える。女性にも性欲があって当たり前だし、恥ずべきことではないというのが社会通念だったのであろう。明治維新、第二次世界大戦敗戦を経て、日本人の思考は西洋化してきていると強く感じた。

  • Koning

    菱川師宣の床の置物というたぶん世界に1冊だけ見つかった稀覯本を見つけた編集者がこの人しかいないと著者に頼んで書いてもらうことになったらしいのだが、そっから例のBritishMusiumの春画展につながるとかびっくりさ。で、よく言われる明治になって日本人は性を隠さねばならぬものにしてしまった。というアレです。そして、恐らくは男の妄想がたぶんに入っただろう春画ではあってもそこに女の普通の性欲があるというのがなかなか素敵でございます。しかし、確かに春信には張り型の出てくる絵が一枚もないんだよね(汗。うん。

  • tama

    自本 杉浦日向子の「江戸へお帰りなさいませ」にこの本のことが書かれていて知った。著者は法政大学教授の女性。助平爺の蒐集物公開ではないので読む気になり古書購入。図書館蔵書にはなかった。曾ての我が国は性別に関わらず性にあっけらかんとしてたんだねえ。特に「処女性」なんて気にしてなかったようだ。「奥床しさ」然り。へええ。で、張方は西国優位だそうだけど、これを描いた絵は西のは酷いな。身体の寸法バランスめちゃ狂い。まるでアザラシ。とは言え国宝画家の菱川師宣も凄い胴長描いてるわ。

  • 海星梨

    もっと張形の材料とか作り方とかに言及してほしかったなぁ、と。所詮本だから文章が主だろって交通機関で読み始めたんですが無理でした笑。イクイクは江戸時代からあったんですね……。「まじめな考古学者には一体何かわからない」というあたりをもっとkwskって感じですが、地球上には男性器を模したものを新築の家に吊り下げて「たいした家ではありません」とアピールする文化もあるそうなので、一概に使い方なんか決まってんじゃんと笑えないあたりはあるだろうと思います……。

  • 紫羊

    水上勉の「土を喰ふ日々」と並行して読むつもりで手に取ったのだが、何となく勢いで読み終えてしまった。妙にリアルな春画の数々に最初はアワアワしたが、これでもかと言わんばかりに次々現れるので、そのうち感覚も麻痺してしまった。しかも田中先生の文章には、これっぽっちのテレもなく、真面目な江戸文化研究書なのだと、読後その思いを強くした。

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