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畜生・餓鬼・地獄の中世仏教史 因果応報と悪道 中世史

生駒哲郎

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784642058605
ISBN 10 : 4642058605
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2018
Japan

Content Description

中世人は、すべての人間が宿業を背負っていると考えていた。仏教の世界観である六道は、三善道と三悪道とに別れ、殺生にも善悪の違いがあった。因果応報の歴史から中世人の思考を紐解き、知られざる中世仏教史を描く。

目次 : 六道の衆生―プロローグ/ 敵討ち/ 地獄からの脱出/ 畜生道の衆生/ 餓鬼の転生/ 三悪道の衆生―エピローグ

【著者紹介】
生駒哲郎 : 1967年、東京都に生まれる。1998年、立正大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程満期退学。東京大学史料編纂所図書部史料情報管理チーム非常勤・武蔵野大学教養教育リサーチセンター研究員・日本史史料研究会代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 香菜子(かなこ・Kanako)

    畜生・餓鬼・地獄の中世仏教史:因果応報と悪道。生駒哲郎先生の著書。仏教の世界の三悪道である畜生・餓鬼・地獄の基本が理解できました。畜生、地獄、因果応報など仏教用語を基にした言葉や諺は現代日本でも数多く残っているから、その歴史や背景について学ぶことは価値があると思います。

  • テツ

    六道のうち畜生道、餓鬼道、地獄道について。「そんなことをしていたら死んだ後にこんな目にあうぞ!」という脅しは衆生を救済するための方便。正しく生きていれば救われると心の底から信じることができるのなら、その救いを支えに幸福になれる。宗教とは本来人間を救うためのシステムであるし、酷い未来(死後も含めて)を提示するのも今生きている人間を救うために編み出された方法の一つ。昔の人が編み出したシステム、テクニックから学ぶことは多いですね。

  • Minoruno

    中世人の仏教観を知りたくて手にした本書。「生きてくためには殺生をしなくちゃならない!武士だから戦わなくちゃいけない!殺生は地獄行き、わかってるけどそこんとこなんとかしたい!!なんとかできないものか!!」という強い「お気持ち」が深い信仰心による救済措置というセーフティネットを生み出したのだなと。地蔵菩薩の万能感がすごい(笑)

  • 田中峰和

    天道から人道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道まで六道のうち、人間は人道の住人。輪廻転生の世界観では、人に生まれ変われるとは限らない。畜生や餓鬼に生まれ変わる恐怖を考えれば、往生して悟りの世界にいきたいと願う。六道の世界で生死をくり返すことから逃れ、解脱して極楽浄土に行き着きたいと願うのが中世仏教の基本。蛤を食すのが可哀想と買い取って、海に流した僧がいたが、蛤は喜ばない。早く死を迎え、上の段階に生まれ変わりたいからである。畜生にも段階があり蛤→犬→牛→馬→人へとステップアップしたいのだ。中世仏教は奥が深い。

  • in medio tutissimus ibis.

    畜生・餓鬼・地獄は六道の中でも悪趣と呼ばれるが、それは業による煩悩や飢えや煩悩によって仏性に目覚め成仏することが不可能であると考えられていたからである。その法則は仏にすらいかんともしがたく、可能なのは業に依って悪趣に生まれる前の生を延長して成仏を促すか、悪趣としての生を終えた後に仏と縁を結ぶ切っ掛けを作る程度のものに過ぎない。そして、当時の仏教徒の中核を担っていた武士は殺人を業とする、地獄に落ちることが前提ですらある存在だった。だからこそ、仏の救済にはその信心の多寡はともかく有無は冷徹なまでに必要とされた

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